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●文:モーサイ編集部(阪本一史)
1990〜2000年代250ccスクーターブーム回想
軽快さと機動力を重視した「フリーウェイ」。一方で、ロー&ロングな車体にゆったりと乗る「フュージョン」。これら1980年代に登場した2台の250ccモデルにより、後に続く軽二輪スクーターブームを先取りしたホンダだったが、その後、トレンドの行方を読むことはできなかった。
フリーウェイ/フュージョンは傍流と判断され、主流となる次世代モデルとして「フォーサイト」を発売。フュージョンはラインナップから外された。しかしながら、後の250ccビッグスクーターブームの萌芽は、じつはフュージョンの方だったと言える。
本記事では、そんな1990年代から2000年以降にかけての250ccスクーターブームの推移について、主観も含めつつ振り返りたい。
“F”の頭文字から始まるようになったホンダ250ccスクーター
ご存知かもしれないが、ホンダの250ccスクーターは車名に共通項がある。フリーウェイ(FREEWAY)/フュージョン(FUSION)/フォーサイト(FORESIGHT)/フォルツァ(FORZA)/フェイズ(FAZE)などだが、見ればわかるとおりアルファベット表記だとすべて“F”で始まる。
これはホンダ2輪車の型式名の前半(M=軽二輪クラス/F=スクーター形式)に関係あるようだが(その後に続く番号は開発順番)、いつからそう定まったのかは諸説あってわからない。だが、筆者がバイク雑誌編集部に在籍中でフォーサイトが登場したころ、ホンダの広報担当者が「今度もFで始める車名にしました」と言っていたから、1990年代半ばごろに“F”で車名を揃えるといったこだわりが社内に生まれたのだろう。
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時代に乗れなかったフォーサイト
そのフォーサイト(型式名MF04)が登場したのは、1997年6月。
250ccスクーターに関して、フリーウェイ/フュージョンと異なる2路線を展開してきたホンダだが、フォーサイトがどちらのスタイルを踏襲したのかと言えば、たぶんフリーウェイ系だろう。
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だが、ここでねじれが生まれたと思うのは筆者だけか。ハンドルマウントのメーターパネルや、ロー&ロングなスタイルではない車体からフリーウェイ系だと感じるのだが、ラインナップ上ではフリーウェイはこの時点で存続し(1999年まで生産された)、フュージョンはフォーサイト登場を機にラインアップ落ちしたのだ。
ホンダはかねてより、250cc大型スクーターの市場創出に取り組み、フリーウェイとツーリング用途にマッチしたフュージョンをそれぞれ発売し、ユーザーニーズに応えてきたと、フォーサイト発売の広報資料冒頭で述べ、以下のように続けている。
「このフォーサイトは、これまでに培ったノウハウを基に、都市部で求められる取り回しの良さや俊敏な機動性と、長距離ツーリングでの快適な乗り心地を高次元で融合させた、スポーツ感覚あふれるスタイリッシュなスクーターとなっています」
つまり、この時点でフュージョンを退場させた理由は「あんなに低く長い車体は不要、それよりも俊敏な機動性は外せない。だが、ツーリングの快適性も盛り込もう」という狙いだったと思われる。実際フォーサイトのサイズは、フリーウェイよりもひとまわり大きくゴージャスで、全長2070mm/ホイールベース1450mm/車両重量162kgとなり、同クラスのスポーツモデルに比肩するボリュームサイズになった。
加えて、シート下トランクは40L容量まで拡大され、900mmまでの長尺ものが収められるスペースを確保。シート下のメットイン機能が当たり前となったこの時期、シート下に収納部がなく、車体後部の小さな収納スペースしかないフュージョンでは厳しいとホンダは判断したのだろう(純正の専用ヘルメット=ハーフサイズ以外は収納不可)。フォーサイトは、フリーウェイより利便性を向上、動力性能や空力特性も進化したモデルとなっていた。
しかし、流行とは不思議なもの。満を辞して登場したフォーサイトよりも、生産終了となったフュージョン人気が盛り上がり始めたのだ……
※本記事は2022年7月7日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。