小学生時代から「改良メダカ」飼育し20年超…500匹を愛でる福井県の31歳男性、品評会で3年連続上位入賞

メダカを飼育し、複数品評会の賞状を手にする矢野修平さん=福井県小浜市内
2024年の国際メダカ品評会で部門優勝と特別賞に輝いたメダカ

 観賞用の「改良メダカ」を趣味で育て、全国各地の品評会に出品し3年連続で上位入賞している男性が福井県小浜市にいる。根っからの動物好きでメダカ飼育歴は20年超。低コストでの飼育を貫き「自分の飼育技術が認められたようで受賞はうれしい」と喜ぶ。飼育メダカをイベントで提供するなど小浜の活性化にも一役買っている。

 男性は会社員の矢野修平さん(31)。小学4年生の時、近所に住む男性から改良メダカをもらい、その美しい姿に魅了され本格的に飼育を始めた。

 自宅には水槽が並び10種類約500匹のメダカが泳ぐ。販売は行わず、趣味の一環として飼育。同系統の繁殖にこだわり生まれたメダカの中から体の形や色、泳ぐ姿勢が美しいものを選別し品評会に出している。

 初挑戦は2022年。岐阜県で開催された品評会でいきなり特別賞を取り、昨年は岐阜県品評会で二つの特別賞、神奈川メダカ品評会で部門優勝した。今月には国際メダカ品評会(神奈川)で部門優勝と特別賞に輝いた。

 出勤前の早朝のわずかな時間を惜しみメダカの世話をする毎日。そのスタイルは家族の負担にならないよう工夫した“低コスト飼育”だ。水は水道代がかからない地下水を使うほか、水槽に水を供給するパイプも自作、冬場もヒーターを使わずメダカを冬眠させるなど徹底した低コストでしのぐ。それだけに品評会上位入賞は「自分の飼育技術が(品評会の)世界で通用するとは思っていなかった。認められうれしい」と喜ぶ。

⇒【写真】美しい…国際メダカ品評会で部門優勝に輝いたメダカ

 飼育過程で増えたメダカは、「小浜の活性化に自分のメダカが役立ってくれれば」と、市内イベントでメダカすくいを企画し、子どもたちの笑顔に替えている。

 メダカの魅力を「癒やし」と語る矢野さんの目標は身近なところにある。祖父はニワトリ、叔父はニシキゴイで県内品評会の上位入賞者の常連として名が知られた存在。「まず身内を抜きたい」と、さらなる全国規模の品評会入賞を目標に据える。矢野さんは「飼育しているものこそ違うが、祖父らと同じDNAが流れているのかも」と笑った。

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