逆転劇呼び込んだソフトバンクの21球 驚異の勝率7割超えも 「強さ」見て取れた7回

7回1死一塁、ファウルで粘り打球を追う近藤(撮影・星野楽)

◆ソフトバンク3―1ロッテ(22日、みずほペイペイドーム)

6回まで2安打無得点も、終わってみれば両リーグ最多を更新する今季18度目の逆転勝ちだ。貯金も今季最多を更新する24まで伸ばし、勝率は6割9分4厘と驚異の7割超えも見えてきた。

その「強さ」が見て取れたのは、同点に追い付いた7回の攻撃にあった。1死から4番山川が死球で出塁すると、5番近藤の左翼線への二塁打で好機は拡大。6番柳町が左犠飛を打ち上げ、試合を振り出しに戻した。

まずは、その同点犠飛を放った柳町の勝負強さだ。小久保監督は「2ストライク前にもう少し、ああいう姿が出れば言うことはない」と同点犠飛を放つまでのアプローチに注文を付けながらも「最低限の仕事はしてくれた」と殊勲者の一人に挙げていた。

「強さ」を象徴する攻撃を見せたという点では、チャンスメークした4番山川、5番近藤の働きはやはり見逃せない。死球で出塁した山川はわずか2球で追い込まれながらも相手の執拗(しつよう)な変化球攻めにファウルで粘り、最終的には11球も投げさせた。

続く近藤も山川同様にファウルで粘って打てる球を待ち続け、10球目の直球をはじき返した。結局、この2人で計21球。相手バッテリーを精神的に追い込むだけでなく、しっかりと得点機をつくったことが、終盤の逆転劇へとつながった。そんな白星ではなかったか。

(石田泰隆)

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