「ブラジルの無敗記録を止めた!」日本女子バレーが死闘を制したフルセットマッチを大会公式が称賛!「アジアを代表するビッグヒロイン」と絶賛された選手は?【ネーションズリーグ】

歴史的な死闘に称賛が上がっている。

現地6月22日、女子バレーボールのネーションズリーグ(VNL)はタイ・バンコクで準決勝が行なわれ、日本代表(世界ランク7位)はパリ五輪の1次リーグで同組になったブラジル代表(同1位)と激突し、フルセットの末に3-2(26-24、20-25、25-21、22-25、15-12)で競り勝ち、史上初めて決勝に進出。大会初のメダルを確定した。

日本は第1セットから山田二千華のサービスエースが決まり、長いラリーを古賀紗理那がバックアタックで制すなど、一時は点差を7点に広げた。しかし、予選ラウンド12戦全勝のブラジルがすぐさま反撃し、17-17の同点に追い付くと、相手エース・ガビのスパイクや37歳タイーザのブロックで逆転する。このままブラジルが先取するかと思われたが、日本はチーム一丸の粘りバレーでボールをつなぎ同点にする。このあと、リリーフサーバーの黒後愛のサーブで流れを変えた日本は連続得点で逆転すると、26‐24で第1セットをモノにした。

第2セットは2度の4連続失点などでリズムが掴めず、ブラジルが奪い返す。だが第3セットで攻撃を修正した日本は山田の好レシーブ、石川真佑の強打や岩崎こよみのサービスエースなどでリードを奪う。中盤には4連続得点を挙げてブラジルを突き放すと、最後は途中出場の和田由紀子がライトから叩き込み、勝負を決めた。
第4セットは再びブラジルが猛攻撃を見せ、6連続得点で一気に突き放す。日本は終盤に宮部藍梨の速攻やブロックポイントで21‐21の同点にするが、相手の気迫が勝り、このセットを押し切られてしまう。

ファイナル進出がかかった運命の最終セットは、お互いの意地と意地がぶつかる激闘となった。宮部の速攻、石川のスパイクなど4連続得点で幸先良く日本がリードするが、世界1位の意地を見せるブラジルが反撃。じわじわ点差を詰め、ついに10-10の同点に追いつく。

1点を争う痺れた展開は激しい競り合いとなり、終盤に山田のサービスエースが炸裂すると、ここぞの場面で古賀と石川のスパイクが決まり、日本がついにマッチポイントを握る。最後は必死に粘ったレシーブから岩崎がトスを上げ、石川が渾身のスパイク。相手がブロックするが、ボールがコート外に落ちて熱戦に終止符が打たれた。 約2時20分の白熱した激闘には大会公式サイトも賛辞を送っている。バレーボール専門メディア『Volleyball World』はファイナル進出をかけた女子の準決勝カードをレポートしており、日本の戦いぶりを詳細に綴っている。「日本は土曜日の準決勝でブラジルに5セットを奪う快勝を収め、日曜日(23日)のイタリアとの決勝戦への出場権を獲得し、歴史的な初のメダルを手にした」と、歴史的な死闘の一部始終を報告した。

記事の寸評では「日本の勝利は、予選ラウンドから準々決勝まで13連勝中だったブラジルの無敗記録を止めただけでなく、ブラジルが過去3回の対戦で日本をフルセットで破ってきた接戦の歴史にも終止符を打った」と補足し、ブラジルの後塵を拝し続けていた日本のリベンジがついに実ったと伝えている。

また、この試合のMVPには両チームを通じて最多タイとなる21得点を挙げた和田を選出した。「ユキコ・ワダはチームを記念すべき勝利に導き、ブラジルのスター選手であるガビと得点王を分け合った。彼女は今夜、アジアを代表するビッグヒロインとなった」と紹介し、第1セット途中からの出場ながら古賀や石川を上回るアタックポイントで大金星に導いたアウトサイドヒッターを称えた。

最後に、最も白熱した15点先取の最終セットについては「ブラジルが2度のセットダウンから逆転に成功した後、日本は第5セットを7-1の得点で突き放した。しかし、ブラジルの底力で9-9で追いつかれたものの、日本は一歩も引くことはなかった」と指摘し、日本女子の粘り強さを高く評価した。
試合後、効果的なクイック攻撃が光ったブラジルの15番キャロルは「日本と対戦する時は、いつも難しい試合になるわ。なぜなら、彼女たちはたくさんディフェンスしてくるから」と、諦めずにボールを拾い続ける日本の粘り強さに脱帽した。「もちろん、優勝を狙っていたので、とても悔しいわ。今日はカウンターアタックが良くなかった。サーブも良くなかったし、日本はセットやスパイクにスピードを出してくるので、正しいポジションを取るのにとても苦労するわ」と、日本の実力を素直に認めている。

パリ五輪のグループステージで同じ組に入った相手に貴重な1勝を収めた日本。その高いパフォーマンスは大きな関心が寄せられている。

構成●THE DIGEST編集部

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