完璧なシュートを防がれるも「感慨深かった」町田戦。福岡の小田はなぜ古巣のファン・サポーターに「シカトされるかと」思ったのか

2024年6月22日に開催されたFC町田ゼルビアとアビスパ福岡の一戦での最大のハイライトは、おそらく38分のシーンだろう。福岡のコーナーキックで前寛之が蹴ったボールを、小田逸稀がタイミングよくヘッドで合わせた場面である。

小田曰く「決まった」と思ったシュートだった。「コースも狙い通りで、しかも叩きつけていたので」。しかし、完璧と思われた一撃は、町田のGK谷晃生に防がれてしまう。止められた感想を問われると、小田は「天晴れです。さすが日本代表」と答えた。

町田は小田にとって古巣である。ゴールこそ決められなかったが、4年ぶりにかつてのホームで、しかもJ1の舞台で戦えることができて「感慨深かった」。

天空の城(町田GIONスタジアム)は「良い意味で変わっていなかった」(小田)。

「最後、挨拶に行った時も1年(2020年)しかいなかったし、シカトされるかと思いましたが、拍手で迎えてくれました。『頑張れ』という声も聞こえてきて、本当に感謝です」

小田にとって、良くも悪くも印象深い試合になったことだろう。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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