コメ不足感が県内にも影響 昨夏の猛暑で不作 「争奪戦」、仕入れ価格上昇

県内外の商品が並ぶスーパーのコメ売り場。小売店によっては売り切れが出ている銘柄も複数ある=21日午前、松山市内

 全国的なコメの不足感の高まりが価格上昇や一部銘柄の在庫切れを招き、愛媛県内にも影響が出始めている。昨夏の猛暑で米どころの東北や北陸が不作だったのに加え、インバウンド(訪日客)回復による需要増などが背景にあるとされる。県内の卸売業者や米穀店などからは「買い付けの争奪戦になっている」との声が上がる。

 日本米穀商連合会(東京)が全国の米穀販売業者を対象に4~5月に実施したアンケートによると、仕入れ状況について計85%が「量が少なくなった」または「仕入れができない」と回答。また、平均仕入れ価格に関しては、半数以上が前年同時期に比べ、60キロ当たり3千円以上上がったと答えた。

 県内の米穀店も例外ではない。松山市のある店は「昨秋の収穫直後と比べると、仕入れ価格は1袋(30キロ)で2千円以上値上がりしている」と明かす。取引先の卸売業者から、7月出荷分から1キロ当たり50円値上げすると通達があり「うちも価格転嫁して、値上げせざるを得ない」と渋い表情。別の店は「スーパーなどで売られる一般家庭向けはおおむね影響がないが、卸売業者との取引価格が上がっている」と説明する。

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