“3億円大会”でも黄金世代が活躍中! 小祝さくら、天本ハルカ、高橋彩華が上位争いけん引「私も負けないように」

小祝さくらを筆頭に今週も黄金世代が強さを発揮(撮影:上山敬太)

<アース・モンダミンカップ 3日目◇22日◇カメリアヒルズカントリークラブ(千葉県)◇6688ヤード・パー72>

今季16試合中5勝を挙げている黄金世代が、今週の“3億円大会”も盛り上げている。暫定トップに立っているのは、3月の「ヤマハレディースオープン葛城」で1勝を挙げている小祝さくらだ。

降雨によりサスペンデッドになった大会2日目はスタートすることもできなかった。仕切り直しとなった土曜日の第2ラウンド(R)で6つ伸ばして2位タイで終えると、午後5時にスタートした第3Rでは、午後6時39分の日没までに7ホールを消化した。そしてそこで3つ伸ばし、暫定ながら首位に躍り出た。

拘束時間12時間以上で25ホールをプレーした一日については「本当に長かったです」と疲れた表情。それでも優勝争いに食い込んでいることについては、「きのう(大会2日目)から長丁場ですごく体力が削られたけど、いいプレーができたと思う」と納得している。第3Rの5番では薄暗がりのなか12メートルのバーディパットを叩きこんだ。「ロングパットが難しいと思ってたんですけど、『暗い方が入るんじゃないか』とキャディさんと話していました」。集中力を研ぎ澄まし、五感をフルに働かせた。

8番のティショットから再開する日曜日は、雨の影響で第3ラウンドの開始が午後1時にずれ込んだ。さらに最終ラウンドは月曜日に持ち越しになることが決定。雨に振り回される一週間でもある。それでも「自分のベストのプレーをするだけ。それだけを考えながらプレーしていきたい」と、何にも惑わされず今季2勝目だけを見据える。

大会3日目終了時点で、トータル8アンダーの暫定3位には今季1勝の天本ハルカ、そして2022年の「フジサンケイレディス」以来となるツアー優勝を目指す高橋彩華の黄金世代2人も続いている。ともに午後5時10分からの最終組でプレーし、第3Rは7番のティショットを打ったところで中断になった。

天本は「全然グリーンが見えなかった。でも無難にここまできました」と、夕暮れ前のラウンドを振り返る。「(心中は)ザーザーでした」と決して静かな気持ちでは迎えられなかったが、6ホールパーを並べ上位争いに踏みとどまっている。「周りが素晴らしい選手ばかりなので。負けないようにと思うけど、ペースを崩さないように」と自分のゴルフを貫くつもりだ。

同じ週に開催される海外メジャーの「KPMG全米女子プロ選手権」では渋野日向子が上位争い中と、海の向こうでも同世代が懸命にプレーしている。「(試合は)もちろん見ています。たくさん刺激をもらったので、こっちでも頑張ろうと思います」と、切磋琢磨の気持ちは強まるばかりだ。

そしてこちらも6ホール連続のパーで長い一日を終えた高橋も「疲れました」と苦笑い。午前3時30分に起きて、早朝に7ホール。そこから午後5時過ぎの第3R開始は心身ともにこたえた。「(暗がりのプレーで)グリーンが全部、平らに見えた。あまり視力が良くないので全然読めなかったです」。そのなかで積み上げたパーだった。

今年は6年ぶり優勝の新垣比菜や、3年ぶりの大里桃子と苦しいシーズンを送っていた同学年選手の“復活”も目立つ。自身も2年ぶりの勝利を目指すなか、「最近みんな強くなってきているので、私も負けないようについていきたい」という刺激を力に変える。

【黄金世代の今季優勝】
3月「アクサレディス」臼井麗香
3月「ヤマハレディースオープン葛城」小祝さくら
4月「パナソニックオープンレディース」天本ハルカ
5月「ヨネックスレディス」新垣比菜
6月「宮里藍 サントリーレディス」大里桃子

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