「目に傘が当たって視力を奪う前にやめてください」眼科医がSNSで警鐘 傘の危険な持ち方…横持ち、腕にかけてブラブラ、リュックに引っかける

各地で梅雨入りし、雨のシーズンがやってきました。傘が手放せない天気が続きます。そんななか、眼科医が「傘の危険な持ち方」について警鐘を鳴らしています。
ついやってしまいがちな「傘の危険な持ち方」とは。

SNSの投稿
「人の目に傘が当たって視力を奪う前にやめてください。こんな歩き方をしてる人を街中で見かけます。ちょうど子供の目の高さです。階段なら大人の目にも当たるでしょう」

傘を持ったまま、手を前後に振って歩く人のイラストとともに、ツイッターに投稿したのは、岐阜県立多治見病院の眼科医の男性です。
この投稿は大きな反響を呼び、共感の声が多く寄せられました。

投稿のきっかけは、何だったのでしょうか。

岐阜県立多治見病院眼科主任 宇佐美欽通 医師
「よく言われている傘の横持ちですね。今でも街中でこの持ち方をしている方が散見されます。梅雨入りして、傘を持つ機会が圧倒的に増えますので、このタイミングで注意喚起をしようと思いました」

宇佐美医師が訴える危険な傘の持ち方。
大人が傘を横持ちした場合、傘の先は後ろを歩く子どもや車いす利用者などの顔辺りの高さになります。また、階段や坂道などでは大人の顔辺りの高さにも来てしまうのです。

その時、仮に傘の先が目に当たるなどした場合、どのような危険性が考えられるのでしょうか。

岐阜県立多治見病院眼科主任 宇佐美欽通 医師
「角膜や結膜に少し触れるだけでも、傘の先って結構ザラザラしているので、障害を与えるとか、その奥にある水晶体や網膜、視神経などにも強い衝撃が加わった場合は障害を起こしうると考えられます。
これらが全てうまく機能した状態で視力は成り立っているので、どの部分に障害が起きても、視力が低下してしまうとか、視力を失う状態になる可能性があります」

また傘の横持ちだけでなく、「傘をブンブンと振りながら歩く」「傘を腕にかけてブラブラ歩く」「傘をリュックなどに引っかけて歩く」。こうした持ち方も同様に危険だと指摘します。

岐阜県立多治見病院眼科主任 宇佐美欽通 医師
「一番大事なのは、傘の先が常に下に向いている状態を保つことが何より大事です。傘の先は下ということを頭に置きながら歩くことが大事だと思います」

傘が手放せない季節。ふとした瞬間、危険な傘の持ち方をしていないか、確かめてみることも大切です。

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