パリ五輪切符へ“追い込まれた”古江彩佳「何も気にせず、集中するだけ」

「75」で38位に後退(撮影/村上航)

◇女子メジャー第3戦◇KPMG全米女子プロゴルフ選手権 3日目(22日)◇サハリーCC(ワシントン州)◇6731yd(パー72)

最終18番(パー5)、古江彩佳の3mのバーディパットはカップの右を抜けていった。ティイングエリアが前に出され、獲りたかったロングホール。「75」で通算4オーバー38位に後退した。

23位から上位を追っていきたいムービングサタデーは1番から重苦しいスタートになった。フェアウェイバンカーからのセカンドはグリーン右のガードバンカーへ。左ピンに対して“足”を使える距離はあったものの、ライが最悪に近かった。

最終18番のバーディパットも決まってくれなかった(撮影/村上航)

左下がりのスタンスでボールを何とか上げる形となり、反対側のラフまでオーバー。4オン2パットのダブルボギーをたたいた。「ホントに寄せられないようなライだったので。そこは運もツイてないなと思いながら…」。3番も右のガードバンカーからピン方向に出せず、ボギー。5番(パー3)で左からの寄せが土手でピンと反対方向に跳ねると、珍しく怒りの感情があふれそうになった。

序盤に乱れたショットを徐々に立て直したが…(撮影/村上航)

出だし5ホールで4つもスコアを落とし、初バーディは9番(パー3)。折り返して11番(パー5)も獲ったものの、その後が続かなかった。「本当に全然、全く入ってくれなかった」と首を振ったグリーン上で合計33パット。ホールによって違うグリーンスピードにも戸惑った。苦しい時もフラットに保ってブレないメンタルも古江の強さを支える部分だが、「きょうは気持ちをフラットにするのは難しかったかな…」と唇をかんだ。

最後まで諦めるわけにはいかない(撮影/村上航)

トップ10圏内との6打差以上に、5アンダー2位につける山下美夢有との9ストローク差が重くのしかかる。今大会終了後の世界ランキングをもとに決まる8月「パリ五輪」日本代表の座を争う2人。日本勢3番手の畑岡奈紗が予選落ちして“選考レース”から脱落した中、2番手の古江がこのまま圏内をキープできるかは山下の結果にも左右される。

2021年「東京五輪」出場を逃し、悔し涙を糧に誓ったオリンピックへの挑戦。「もう全然、何も気にせず、本当に集中するだけかなと思います」。今季何度も見せてきた、最終日の勝負強さがある。顔を上げ、自分ができることをやり切るしかない。(ワシントン州サマミッシュ/亀山泰宏)

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