トウキのかき餅人気 富山薬草生産組合 廃棄の葉を活用、「薬都」の新名物に

トウキの葉を使ったかき餅を並べる奥村代表=富山市内

  ●入浴剤に続き第2弾販売

 富山薬草生産組合が漢方薬の原料となる富山県産の薬用植物「トウキ」の葉を使って作ったかき餅が人気を集めている。これまでトウキの葉は使い道がなく捨てるしかなかったが、有効活用しようとかき餅に仕上げ、富山市内で販売している。組合は「薬都・富山」ならではの新名物として販路拡大に意欲を見せている。

 組合員14人が富山市内でトウキやシャクヤクを生産している。トウキは4人が約5アールの畑で栽培している。鎮静、鎮痛、強壮などの薬効が認められる根を漢方生薬として製薬会社や薬剤問屋に販売してきた。

 組合は買い手がないため廃棄していた根以外の部分を有効活用できないかと模索し、2021年にトウキやシャクヤクの葉を使った入浴剤を開発して販売した。入浴剤の次の活用方法を探る中、幅広い人に親しまれ、富山ならではの土産にもなる商品としてかき餅に使うことを思いついた。

 かき餅は組合員が手作りしている。トウキの葉を摘んで、乾燥させて粉状にし、市内産のもち米と混ぜて揚げる。22年から販売を始め、現在は1袋450円でJA直売所のあおばの里ほほえみ館、あおばの里みのり館に並べている。薬草独特の癖がなく、サクサクとした食べやすい食感で、健康にも良いイメージがあることから人気となり、今では両館にそれぞれ並べる25袋が1週間ほどで売り切れるようになった。

 組合の奥村輝昭代表(81)は「かき餅の人気が薬草の生産拡大につながるといい。昔懐かしいかき餅をぜひ味わってほしい」と話した。

© 株式会社北國新聞社