古江彩佳は最終日ボギーフリー『70』 パリ五輪切符へ“吉報待ち”「フタを開けてみてという感じかな」

古江彩佳は最善尽くし吉報を待つ(撮影:南しずか)

<KPMG全米女子プロゴルフ選手権 最終日◇23日◇サハリーCC(米ワシントン州)◇6731ヤード・パー72>

「パリ五輪」代表争いのラストマッチ。古江彩佳と山下美夢有がし烈な2枠目争いを演じていたが、どちらがその切符を手にするかは、両者がホールアウトするまで分からない状況になっている。

大会開幕前は古江がわずかにリードしていたが、3日目を終えて優勝争いに加わった山下が逆転して“優勢”に立った。古江はトータル4オーバー・38位からボギーフリーの「70」。ホールアウト時点で17位タイにつけ、選考レースの最終結果は山下の最終結果次第、ということになる。

初日を「71」で滑り出したものの、「74」、「75」と後退して最終日を迎えた。「ボギーをいっぱい叩いていた大会で、ノーボギーで上がれたのは本当にうれしかったですし、アンダーで回れてよかった」。山下との差を埋めていくためにも、スコアを落とさないのが第一条件。そしてさらに、伸ばしていくことが要求された。

「落としてはいけない位置だったと思うので、どこのホールもパーセーブが大事だった。怪しいパーパットもあったりしたけれど、耐えながら決められたので、最後にバーディが来たかな」。16番でグリーン奥のカラーから7メートルを決めて初バーディ。最終18番では花道から1.5メートルにつけた。この2つの“〇”が、パリロードに関わってくることになりそうだ。

古江がホールアウトした時点では、山下は2位タイで後半に向かったばかりだった。山下がこのまま上位をキープすれば、古江のパリ行きは消滅する可能性が高い。それでも、 いまできる最善のプレーをした。 「ちょっとずつでも上位に近づいたかな。(相手が落ちることは)願わないので、フタを開けてみてという感じかな」。少し疲れたような表情を見せながらも、気丈に言った。

およそ3年に及ぶ選考レースはまもなく幕を閉じる。「最後の試合が終わったので、気をラクにしたい」。集まったファンに笑顔で対応を行い、静かにコースを後にした。(文・笠井あかり)

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