目の前は海! 空き家改修の宿オープン 対馬にUターンした女性が開業 長崎

宿を通じた対馬の魅力発信に意欲を示す小川さん=対馬市豊玉町千尋藻

 長崎県対馬市で自然豊かな暮らしを体感してもらい、移住につなげようと、同市で空き家の転貸事業を営む小川香織さん(28)が今春、同市豊玉町千尋藻地区に宿泊施設「ちろもの宿」をオープンさせた。1棟貸しで、森を抜けた海岸沿いにあり、眼前には澄んだ碧海(へきかい)が広がっている。
 小川さんは同市峰町出身。高校卒業後に島外へ進学し、菓子店に就職した。その後、Uターンして昨年春まで市の島おこし協働隊員を3年務めた。活動の中で「空き家対策」に関心を持ち、現在は家主から借りた空き家を改修して転貸する「サブリース」事業を手がけている。
 事業の傍ら「海や自然が望める、対馬ならではの場所で宿もしたい」との希望を抱いてきた。絶好の空き家を見つけ昨年10月ごろからリフォームを施した

宿の眼前には澄んだ碧海が広がる=対馬市豊玉町千尋藻


 宿は寝室が三つ、リビングにキッチンを備え宿泊者が自炊できる環境になっている。最大10人まで宿泊可能。宿のインスタグラムから予約サイトにアクセスできる。
 まだ構想段階だが、いずれは遊漁船で海に出て釣りを楽しんでもらうことなども考えているという。小川さんは「ここで過ごしたのをきっかけに最終的にUターン、Iターンにつながれば」と地域の活性化に意欲を見せる。

落ち着いた雰囲気のリビング。キッチンの窓からも海が望める=対馬市豊玉町千尋藻

© 株式会社長崎新聞社