自由死を選んだ母の“本当の心”を知るため“AIで蘇らせる” 今、描かれるべき傑作小説が映画化!池松壮亮主演『本心』

©︎2024 映画『本心』製作委員会

2023年10月公開の『月』が同年度の各映画賞を総なめにした石井裕也監督が主演に池松壮亮を迎え、日本映画界を牽引する豪華実力派俳優陣集結のもと、平野啓一郎(「ある男」)原作の傑作長編小説「本心」を映画化。映画『本心』が、11月8日(金)より公開される。

テクノロジーは“人の心”を再現できるのか?

「大事な話があるの」——そう言い残して急逝した母が、実は“自由死”を選んでいた。幸せそうに見えた母がなぜ自ら死を望んでいたのか…。どうしても母の本心が知りたい息子の朔也は、最先端のAI企業に「母を作ってほしい」と依頼する。テクノロジーは、人の心を再現できるのか。ただ、母の本当の心を知りたかっただけなのに、朔也は自分の心や尊厳さえも見失っていく。世界に誇る日本映画界屈指の鬼才・石井裕也監督が、技術が発展し続けるデジタル化社会の功罪を鋭く描写。今と地続きにある少し先の将来、“自由死”を望んだ母の“本心”を知ろうとすることをきっかけに、進化する時代に迷う青年を映し出す。

私たちの《生活》は確かに便利になったかもしれない。しかし、果たして《心》は 豊かになったのだろうか?時代の迷子になった青年を通し、我々が得たもの・失ったものを一つひとつ掬い取り、真摯な問いを突き付ける。

日本映画界屈指の監督・キャストが贈る、革新的なヒューマンミステリー

主演を務めるのは、今年の「カンヌ国際映画祭」で話題をさらった『ぼくのお日さま』(9月13日公開)や『シン・仮面ライダー』ほか、近年ますます活動領域を拡張している俳優・池松壮亮。時代に置いてけぼりにされた青年・石川朔也を、あえて地に足の着かない不安定な演技で見事に体現。石井監督作品へはこれまで『ぼくたちの家族』や『アジアの天使』など映画、ドラマを合わせ8作品に出演しているが、9作目のタッグとなる今作は、原作を読んだ池松が全幅の信頼を寄せる石井監督に「今やるべき作品」と企画を持ち込み、俳優歴24年にして「気の抜けない脚本だった。こんなに集中した夏は初めて」と語る意欲作。

池松演じる朔也の母・秋子役には、数多くの名作映画に出演してきた俳優・田中裕子が扮し、生身/VF(ヴァーチャル・フィギュア)という未知の“2役”に挑戦。石井組初参加となる彼女が圧倒的な存在感を見せつける。

そして、Netflix「今際の国のアリス」シリーズ、Amazon Original映画『ナックルガール』で本格アクションを披露し、『先生の白い嘘』(7月5日公開)ほか成長著しい三吉彩花が、秋子の素顔を知るキーパーソンであり、過去の傷を抱えるミステリアスな女性・三好を好演。彼女が朔也の人生に与える影響とは…。

さらに、朔也の幼馴染の岸谷を演じるのは、昨年の大ヒット作『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』で主演を務め、「第47回日本アカデミー賞」優秀主演男優賞を受賞した水上恒司、最新AIのVFの開発を行う技術者の野崎将人に妻夫木聡、ある出来事をきっかけに朔也に興味を抱くアバターデザイナーのイフィーに仲野太賀、VFの中尾役の綾野剛、リアル(現実)のアバター(分身)として依頼主の代わりに行動する仕事を始めた朔也の依頼人・若松に田中泯と、それぞれ池松演じる朔也の心情を大きく揺さぶる重要な役どころを担う。

名実ともに日本映画界を牽引する俳優たちが集った本作の原作は、1999年、「日蝕」で第120回芥川賞を受賞した小説家・平野啓一郎が「マチネの終わりに」「ある男」に続き、2021年に発表した渾身の傑作長編小説。現代人が直面している課題を浮き彫りにし、愛と幸福の真実を問いかける平野文学の到達点となる名作である。AIや仮想空間、日々著しく進化するテクノロジーが日本のみならず世界中を席巻し、生活様式が目まぐるしく変貌していく時代を彷徨う人間の《心》と《本質》を描いた革新的なヒューマンミステリーだ。

『本心』は11月8日(金)より全国ロードショー

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