シナー、世界1位として初めてのタイトルを獲得。グラスコートで初優勝し手応え「自信がついた」

シナー「グラスコートでの初優勝はとてもいい気分」

現地6月23日、「テラ・ウォルトマン・オープン」(ドイツ・ハレ/ATP500)シングルス決勝が行われ、第1シードのヤニック・シナー(イタリア)が第5シードのフベルト・フルカチュ(ポーランド/同7位)を7-6(8)、7-6(2)で下して今季4勝目。世界ランク1位として初めてのタイトルを獲得した。

22歳のシナーは、今年1月の「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン)でグランドスラム初優勝を果たすなど3つのタイトルを獲得。6月の「全仏オープン」(フランス・パリ)で4強に入り、イタリア人男子として初めて世界ランク1位に立った。

グラスコート・シーズン初戦となった今大会では、初戦から3試合連続のフルセットのタフな戦いを制して4強入りすると、準決勝ではジャン・ジジェン(中国/同42位)を6-4、7-6(3)で下して決勝へ。今大会のダブルスでもペアを組んだフルカチュとの戦いを迎えた。

第1セットでは互いにサービスブレークを許さない締まった展開。タイブレークでも拮抗した戦いで、両者にセットポイントが訪れる。その中、8-8でシナーのカウンターにフルカチュは返球で精一杯。浮いたボールをしっかり決め切ったシナーがミニブレークに成功し、3度目のセットポイントを取り切って7-6(8)で奪取した。

一つのミスが命取りとなる息詰まる攻防は、第2セットも継続。順調にサービスキープするシナーはプレッシャーをかけ続けるが、フルカチュも我慢強くプレーしブレークを許さない。第1セット同様にサービスブレークのないままタイブレークに突入すると、それまでの流れを生かしてシナーが先に2度のミニブレークに成功。7-6(2)とストレートでフルカチュを下して、今季4度目のタイトルを獲得した。

また、シナーにとって芝大会でのタイトルは初めて。世界ランク1位として臨むウィンブルドンへいい弾みをつけた。

「とても大きな意味がある。フビとの試合はタフだった。良いサーブを打たなければいけないことはわかっていたし、重要なポイントは数ポイントしかない。大事な場面で最高のプレーができるよう努力したよ。グラスコートでの初優勝はとてもいい気分だ」と強敵を破って手にしたタイトルを喜んだ。

次戦は7月1日に開幕する「ウィンブルドン」。一昨年は準々決勝で、昨年は準決勝でノバク・ジョコビッチ(セルビア/同3位)に敗れているものの、「とにかく楽しみだ。去年は準決勝に進めたし、いいテニスができた。だから今年は何ができるか。自信がついたのは確か。1週間の準備期間があるからいい大会になることを期待しているよ」と今大会での手応えを持って今年2つ目のグランドスラムを狙う。

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