【ボート】規定改正によりG2以上の準優・優勝戦では伏兵狙いが吉!

 コンマ03とS張り込んで蒲郡周年を制した石渡鉄兵

 「ボート記者コラム 仕事 賭け事 独り言」

 インからコンマ03、12、06、12、15、11。6月、G1・蒲郡周年の優勝戦のスタート(S)タイミングだ。コンマ0台を踏み込んだのは、優勝した石渡鉄兵(49)=東京・74期・A1=と、3コースの稲田浩二(兵庫)。峰竜太(佐賀)、池田浩二(愛知)、寺田祥(山口)そして平本真之(愛知)は、そこまで張り込めなかった。

 もう1つ例を出す。こちらはインからコンマ08、01、00、05、09、12。これは2月に宮島で行われたG1・中国地区選の準優10RのS。2コース浜先真範(広島)と3コース船岡洋一郎(広島)が極限まで踏み込み、イン茅原悠紀(岡山)を一気にのみ込んだレースだった。

 昨年4月からG2以上の準優および優勝戦のFに対する罰則が厳しくなったのは周知の通り。これを、より厳しい足かせととらえているのはSG常連組だ。グランプリ出場を目標に据える彼らにとって、最大2年もG2以上から閉め出されるのは死活問題。踏み込みは以前よりも慎重になる。

 一方、伏兵クラスにとってはさほどの足かせになっていない。言い方は悪いが、そのレベルの選手にとってはG2以上から閉め出されるリスクよりも、G2以上制覇への執念が勝る。勝負に出て勇み足となっても、一般戦でA1維持の要件を満たせば問題ないわけだ。

 このルール変更を厳しいだの、不公平だのと批判するつもりはない。より多く売れるのはSG常連組。彼らにFをされるのは、施行者にとって大問題だ。売上の面からみれば、理解できる。

 ボートに限らず、どの競技でもルールは舟券作戦の大きなヒント。この規定も利用して設けるのがいい。今回はたまたま、現場で見ていた2レースを実例として取り上げたが、今後も似たようなケースが多く出るだろう。G2以上の準優、優勝戦でのSG非常連組の狙い撃ち。人気薄になることが多いだろうし、いい配当をもたらしてくれることも多いはずだ。(関東ボート・競輪担当・浅野将之)

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