福井豪雨から20年…未曽有の災害を振り返る企画展 ハピリンで7月21日まで、ボランティア奮闘も

発生から20年となる福井豪雨の被災状況などを紹介する企画展「災害とボランティアパネル展」=6月22日、福井県の福井市総合ボランティアセンター

 福井地震や福井豪雨など福井県内を襲った大規模災害の被害や復旧、災害ボランティアの活動を紹介する企画展「災害とボランティアパネル展」が6月22日、福井市総合ボランティアセンター(ハピリン4階)で始まった。発生から20年となる福井豪雨や今年元日に起きた能登半島地震などの展示が、災害に備える重要性を改めて示している。7月21日まで。

 災害の経験や教訓を次世代に引き継ぎ、災害ボランティアへの関心と理解を深めてもらおうと、同センターが毎年企画。今年はパネル21点、タペストリー5点を展示している。

 福井豪雨関連では、福井市の中心市街地が大規模に冠水した様子や激流に押し流された越美北線の鉄橋、孤立した住民をつり上げるヘリコプターの救出作業などの写真が未曽有の災害だったことを伝える。小中高生らが押し寄せた泥をスコップで取り除いたり、大量のごみを運び出したりとボランティア活動に奮闘する様子も知ることができる。

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 能登半島地震関連では、福井県が募集したボランティア「チームふくい」による倒壊家屋や散乱するがれきの撤去作業を紹介。景勝地「見附島」近くの海岸沿いで、ごみの片付けに汗を流す高校生の写真もある。

 1948年の福井地震では石川、富山、岐阜、滋賀、京都など各地から交代で出動した当時の災害ボランティア「勤労奉仕隊」の活躍をまとめた。97年のナホトカ号重油流出事故では、延べ1万8千人余りのボランティアが砂浜や岩場に漂着した重油を手作業で回収した写真が並ぶ。

 企画展を担当する福井市市民協働・ボランティア推進課の職員は「ボランティアの力がなければ復旧、復興は難しい。災害への備えの大切さやボランティアとして自分ができることを考えるきっかけにしてもらえたら」と話していた。

 市総合ボランティアセンターは月曜休所。

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