名手ハーダウェイは息子のマブズ退団を希望?「出ていく準備はできている」とSNSに投稿もその後削除<DUNKSHOOT>

現地時間6月18日(日本時間19日、日付は以下同)、ダラス・マーベリックスでプレーする息子ティム・ハーダウェイJr.の父ハーダウェイSr.は、自身のインスタグラムアカウントへこう綴っていた。

「私の息子ティム・ハーダウェイJr.は素晴らしいシーズンを送った。私たち家族はとても誇らしく思っている。これからも努力を続けて、成功し続けるんだ!私たちの眼には、お前が常に勝者なんだと映っている。チャンピオンシップこそ勝ち獲れなかったが、私はお前ならできると信じている」

キャリア11年目の今シーズン、ハーダウェイJr.はレギュラーシーズンで79試合に出場し、チーム3位の平均14.4点に3.2リバウンド、1.8アシスト、3ポイント成功率35.3%(平均2.7本成功)をマーク。

だがプレーオフのファーストラウンド(対ロサンゼルス・クリッパーズ)の第2戦を最後に右足首捻挫のため4試合を欠場。オクラホマシティ・サンダーとのカンファレンス・セミファイナル初戦で復帰し、第2戦で17得点をあげて勝利に貢献したが、その後プレータイムは安定せず、ミネソタ・ティンバーウルブズとのカンファレンス・ファイナル第3戦からはローテーション入りできずにベンチを温めることになった。
ボストン・セルティックスとのNBAファイナルを1勝4敗で落としたマブズは、シリーズを通じて3ポイント成功率31.6%(48/152)と苦戦。そのなかでハーダウェイJr.は、2連敗で迎えた12日の第3戦で約20分のプレータイムを与えられるも、フィールドゴール5本(うち3ポイント3本)をすべて落としてしまい、無得点と不発に終わった。

マブズが唯一勝利した14日の第4戦で、ハーダウェイJr.は父親がコートサイドで見守るなか3ポイント成功率71.4%(5/7)の15得点に3リバウンド、1アシストをマーク。初白星に貢献したものの、全体的には不完全燃焼でシリーズを終えた。

32歳のインスタントスコアラーは、プレーオフ14試合の出場で平均12.7分のプレータイムを与えられ、4.4点、1.8リバウンドに3ポイント成功率35.1%を記録。マブズはルカ・ドンチッチ、カイリー・アービングの2枚看板にPJ・ワシントン、ダニエル・ギャーフォ―ド、デレック・ライブリー二世、マキシ・クリバー、ジョシュ・グリーン、ダンテ・エクサム、ジェイデン・ハーディといった主要選手たちが来季も契約下にある。
今夏の最優先事項は完全FA(フリーエージェント)になるデリック・ジョーンズJr.との再契約。先発の一角を務めたウイングのストッパーを呼び戻すことができれば、ファイナル進出時のロスターをキープして来季に臨むことができる。

そうしたなか、ロスターのアップグレードを図るためにはトレードもオプションのひとつとなる。「マーベリックスは彼をトレードするかもしれないな」とコメントが入ると、ハーダウェイSr.はむしろ賛成とばかりにこうリアクションしていた。

「あぁそうだ。私たちは(息子が)輝く新たな機会を得ることを求めている。この状況は好ましくなかった。出て行く準備はできているよ」
ハーダウェイSr.は現役時代に“キラークロスオーバー”で知られたポイントガード。ゴールデンステイト・ウォリアーズやマイアミ・ヒートで活躍し、オールスターとオールNBAチームにそれぞれ5度名を連ねた男は、2022年にバスケットボール殿堂入りを飾っている。

息子に対する挑発的なコメントに、現役時代の闘争心に火が付いたのか、それとも契約最終年を迎える息子のキャリアを危惧していたのか、真偽は定かではない。現在このコメントは削除されているが、ハーダウェイJr.とマブズが来季に向けてどうなっていくかは気になるところだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

© 日本スポーツ企画出版社