体液に毒があり、触れると“やけど”をしたかのような皮膚炎をもたらす「やけど虫」。春から秋にかけて活動しますが、特に6~8月は動きが活発になるため、畑仕事やアウトドアを楽しむ際は注意が必要です。
周囲が赤く腫れ、線状のやけどのような傷。
突然、体にこのような炎症が現れたら、「やけど虫」の仕業かもしれません。
「アオバアリガタハネカクシ」、通称「やけど虫」。体長は6.5〜7.5mm、黒とオレンジの毒々しい色で、背中には青みがかった羽。アリのような形をした虫です。
富山市科学博物館によりますと、攻撃性はないものの、誤って人や動物が触れると「ペデリン」という有毒の体液が出て、皮膚に炎症が起ってしまうといいます。
実際に治療をしたことがある、富山市の皮膚科に聞いてみると。
長井皮膚科医院・長井正樹院長:「線状に並んだ紅斑(こうはん)が特徴的です。また、そこに小さな水ぶくれのような症状や、痛みを伴うことがあります。そういった症状がある場合は、アオバアリガタハネカクシ(やけど虫)による皮膚炎を疑います。今年は5月に入ってから数名、そのような症状で受診する患者さんが来ました」
アオバアリガタハネカクシの生息地は、日本全土に広がっていて、高温多湿を好み、特に草原や畑などに要注意。
気温が高くなると動きが活発になるため、夏場は被害が増える傾向にあります。
長井皮膚科医院・長井正樹院長:「患者さんは、しばらく外にいたと話す人が多いです。草むしりなどをしている時など、知らないうちに肌にくっついているという場合が多いのではないかと思います」
では、もし触ってしまった場合はどうしたらよいのでしょうか。
長井皮膚科医院・長井正樹院長:「気づいた場合は、すぐに石けんなどでよく洗い、皮膚科を受診してください。治療では基本的にステロイドを用いますが、症状が進行してからではステロイドも効かない場合があります。身に覚えのない、線状のかぶれや、やけどのような炎症ができた場合は、早めの受診をおすすめします」
キャンプなど屋外での活動が増えるこの時期。虫にも気を付けながら楽しみましょう。