なぜ?費用は?課題は?現在地は売却? 熊本市役所本庁舎の建て替え案「NTT桜町ビル跡地に移転」と「中央区役所は別に建設」市議会に提示

熊本市役所本庁舎の建て替え問題で、熊本市が移転候補地をNTT桜町ビル跡地にすると市議会で正式表明しました。また、中央区役所は別に建てるとして、2か所の候補地を示しました。

大西一史 熊本市長「本庁舎・議会棟はNTT桜町敷地に建設し、中央区役所は市役所駐車場敷地、または花畑町別館跡地のいずれかに分棟する方針で検討を進めたい」

熊本市はこれまで本庁舎の場所について4か所を示していましたが、この中から利便性などを理由に桜町への移転を表明しました。

なお、現在の庁舎の場所は建設費などを捻出するために売却も検討しています。

一方、中央区役所を本庁舎と別に建てるのは、景観への配慮も理由に挙げています。

仮に本庁舎と一体化して建てた場合、ビルの高さは市の景観計画で制限する海抜55メートルを超え、熊本城が見えにくくなります。そのため市は「本庁舎とは別に建てれば、ビルの高さを抑えられる」と強調しています。

また今回初めて、土地の取得費用を含んだ概算事業費が明らかになりました。

主な費用は本庁舎や区役所の建設費約353億円や、移転先の土地取得費約70億円などで、区役所をどちらに建てても全体の概算事業費は600億円を超えます。

市は7月にも中央区役所の建設地を絞り込む方針で、秋には市議会で基本設計費などの関連予算案を可決させたい考えです。

▼候補地が絞られた理由は?

4つの候補地のうち、白川公園と城東エリア、そして今の場所に建て替える案が除外されました。災害時の避難場所を他に確保できないことや、いったん別の場所に仮の庁舎を建てると事業が長期化することなどが理由です。

市はNTT跡地について利便性の高さなどをメリットに挙げています。また、中央区役所については、花畑町別館跡地と市役所駐車場周辺の2か所に絞りました。

▼建設費用はいくら?

今回、初めて土地の取得費用が明らかになりました。

以前に市が示した事業費よりも150億円ほど増えましたが、今の本庁舎の土地を売ることで実質的な市民の負担は減るとしています。

▼今後の市議会の流れは?

議員や市民からは課題を指摘する声があります。
・物価高の中でこの費用で収まるのか
・今の場所を売却して良いのかなどの意見に市がどう答えるのか
などが、今後のポイントです。

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