年間1万人が訪れる「写真映えする」廃線跡 レールの間からグーーンと伸びる新たな竹に関係者ら安堵 枯れた竹との世代交代セレモニー 鳥取県倉吉市 

新たに生えた竹を見やる名越宗弘会長。後方で線路の間にあるのが別の1本。線路のそばに倒れているのが枯れて切り倒した竹=倉吉市関金町泰久寺、旧国鉄倉吉線廃線跡

 倉吉市関金町泰久寺の旧国鉄倉吉線廃線跡で、レールの間に生える名物の竹が新たに1本生えた。もともとあった3本のうち2本が枯れ、残念がっていた関係者はひと安心。21日、枯れた竹と新たな竹の世代交代セレモニーがあり、関係者が今後も観光客を楽しませるよう願った。

 倉吉線は、かつて倉吉駅(倉吉市上井)-山守駅(同市関金町堀)間の約20キロを結び、1985年に廃止された。

 泰久寺周辺は約2.5キロにわたってレールや枕木、旧泰久寺駅のホームが残り、市が2007年にウオーキングコースとして整備して以降、年間1万人が訪れる観光名所。とりわけ竹林に覆われた約300メートル区間は写真映えすると人気で、レールの間の竹3本が親しまれていた。

 ところが、1本が枯れて22年に伐採され、さらに1本が23年ごろから枯れ始めた。そんな中、廃線跡を生かす倉吉観光マイス協会の職員が24年4月18日、近くでレールの間にタケノコが出ているのを見つけ、囲って保護していた。

 セレモニーは枯れた2本目を切り倒し、15メートルほどに育った新しい竹に設置していた囲いを取った。協会の名越宗弘会長(61)は「どうなるかと心配していたが、その思いが通じたのか、新しい竹が見つかり立派に伸びてくれた。願わくば、もう1本生えて元の3本に戻ってほしい」と喜んだ。

 枯れて切った竹は、ストラップなど倉吉線廃線跡グッズに活用する予定。

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