鹿児島県警 警察庁監察官の特別監察始まる 野川本部長ら幹部対象

鹿児島県警で前の生活安全部長や現職警察官の逮捕といった不祥事が相次いでいることを受けて、警察庁の監察官らが6月24日から県警で特別監察を始めました。

異例ともいえる監察は、野川明輝本部長ら幹部を対象に行われ、警察庁は不祥事の原因を分析して再発防止策などの取り組みを細かく指導するとしています。

坂口輝記者
「午後2時ごろ、警察庁の監察官ら3人が県警本部に入っていきました」

県警では、前の生活安全部長本田尚志被告が警察の内部資料を漏らした罪で起訴されたほか、盗撮、不同意わいせつ、捜査情報の漏えいの疑いで、現職警察官3人が逮捕されるなど、4件の不祥事が起きています。

警察庁は、これらの事態を重く見て、県警に24日から当面、首席監察官ら3人による特別監察を行います。

特別監察では野川本部長を含む、幹部からの聞き取りを行い、一連の不祥事が起きた原因を調べるということです。

県警は21日の会見で、7月中に再発防止策をまとめる方針を示していて、警察庁は監察の中で再発防止策の策定をサポートし、その後、再発防止策が実施されているかチェックを行います。

鹿児島県枕崎署の警察官による盗撮事件について警察庁は、前の生活安全部長の本田尚志被告が指摘した、野川本部長による隠ぺいの指示は客観的に見て、なかったとしています。

しかし、「迅速的確に行わなければならない捜査の基本に欠けるところがあった」として、野川本部長を警察庁長官訓戒の処分としています。

都道府県警への特別監察は、記録が残る2011年以降では、愛知県警、大阪府警 ,
岡山県警に続き4例目です。

特別監察を受けて、県警は「重く受け止めている。警察庁からの指導を踏まえ再発防止にしっかり取り組み、県民の信頼回復に努めて参りたい」とコメントしています。

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