約4か月ぶりの捜索再開…報告待つ兄は畑を耕す「自分も体験して…全部自分への気休め」

およそ4カ月ぶりの捜索です。
能登半島地震による土砂崩れでまだ一人の行方がわからない輪島市では家族が見守る中、捜索活動が再び始まりました。

記者:「大規模な土砂災害が発生し現在も1人が行方不明となっている輪島市市ノ瀬町です。きょうおよそ4カ月ぶりに捜索が再開されました」

輪島市市ノ瀬町(いちのせまち)では一人で暮らしていた垣地英次(かきち ひでつぐ)さんが土砂崩れに巻き込まれ行方がわからなくなっています。
捜索活動は今年3月、更なる土砂崩れが発生する恐れがあるとして一旦打ち切られていました。
しかし土砂の一部を取り除き安全が確保されたため警察などがおよそ4ヶ月ぶりに捜索を再開しました。

現場に駆け付けたのは垣地さんの兄・弘明(ひろあき)さん。
弘明さんは地震発生直後から捜索活動を見守り続けてきました。

垣地さん:
「弟はどっちかというとまじめで面倒見がよくて家族の中では頑固者だったと思っています。見つからないことには次何しようかということもまだ考えもできないところもあるんですけど(再開したことで)少しの光が見えたなと思っています」

捜索ができなかったおよそ4カ月間に、弘明さんが始めたことがあります。

垣地さん:
「ここがじゃがいもさつまいも、かぼちゃ、すいか」

英次さんと、去年亡くなった母親が世話をしていた畑で野菜を育て始めたのです。

垣地さん:
「せっせと二人で汗かきながらやっていたことを自分でも体験して全部自分への気休めなんですよ」

この畑からは捜索活動の様子を見守ることができます。

垣地さん:
「すごい量やってんな、すごい地震やってんなと…一緒の墓に入れて弔いたいんですけどね。結果はわかってるんで。面影すらもうみれないかもしれないし…」

捜索は25日以降も日曜日を除いて毎日実施されます。

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