楓奈決めた!逆転の大技 スケボー2大会連続五輪「金目指す」 進学後も富山で練習

  ●最終試技、全選手トップの得点

 五輪出場を懸けた最後の大会、最後の試技で決めた大技がパリ行きの切符を引き寄せた。スケートボード女子ストリート代表争いで、中山楓奈(ふうな)選手(19)=富山市出身=が東京五輪銅メダリストの底力を発揮。「最終戦で絶対成功する」と宣言通りの土壇場での大逆転劇に、跳びはねて手を突き上げた。けがに苦しみながらも諦めなかった中山選手は「金メダルを目指す」と2度目の五輪に向かう。

 ベストトリック(一発技)を3連続で失敗し、8位で迎えた最終5回目。中山選手は、板をかかとで回転させてから手すりをまたいで跳び乗り、滑り降りる大技「ヒールフリップ・バックサイド・リップスライド」に成功した。100点満点で全選手トップの驚異的な96.84点に、普段は冷静な19歳はガッツポーズで、喜びを爆発させた。

 昨年、左鎖骨を2度も折る不運が重なり、大会前の五輪ランキングは日本勢4番手に甘んじていた。中山選手は「支えてくれた人たちに感謝。前まで緊張して泣きながら大会に出ていたが、最近は笑顔で楽しく滑れるようになったのはすごい進歩」と成長を実感した。

 中山選手は4月に早大進学後も、富山駅北にある自身が監修したスケートボード専用施設で、大技の練習に打ち込んだ。

  ●本紙連載で決意

 富山新聞の連載「楓奈のスケボーnote(ノート)」(6月7日付)では、「最終戦では絶対に成功して、上位3人に切符が与えられるパリ五輪に出場したい」と決意をつづっていた。

 代表入りを信じ、黙々と努力を続けてきた中山選手は「パリ五輪ではやりたい技を出し切り、悔いのないように滑る」と力強く語った。

© 株式会社北國新聞社