「社会貢献・CO2削減の意義大きい」カーボンニュートラルガスの普及目指す取り組み 長崎

「長崎ネクストスタイル」今回は、二酸化炭素「CO2」の排出量が実質ゼロになる《カーボンニュートラルLPガス》の普及を目指す長崎県内企業の取り組みを紹介します。

長崎県内で液化石油ガス=LPガスなどを販売するチョープロは、CO2排出量が実質ゼロになる《カーボンニュートラルLPガス》の供給を2年前から始めました。

LPガスは採掘から輸送・燃焼までの工程で多くのCO2が発生します。しかし、チョープロが《植林や再生可能エネルギーへの活動》に貢献することで、CO2の削減につながり、排出量は実質ゼロになるという仕組みです。

通常のLPガスと成分は同じですが、環境活動に貢献しているためガス代が1キログラムあたり2.3円高くなります。導入のきっかけは、地域全体で環境への意識を高めたいとの思いからでした。

社会貢献・CO2削減への取り組みが大きい

チョープロ経営企画室 桑原亮さん:
「積極的に私たちがアピールしていくことで地域全体としてカーボンニュートラルに対するアプローチをしていければいいかなと思ってます」

県内第1号となるカーボンニュートラルLPガスの供給先は、去年10月、佐世保市にオープンした生活協同組合ララコープの複合商業施設ララプレイスひうみです。生協は、2030年までにCO2の総排出量を27%削減することを目指し、このガスの導入を決めました。

生活協同組合ララコープ 店舗事業本部 嶋内佳一副本部長:
「今、色んなものが値上がりしていますけど、社会貢献・CO2削減のところの方の考え方が大きいかなという判断ですね。
生協っていうのは食もそうですし、生活環境もそうですし、社会の取り組みのリーダーとなるべきだと思っていますので、生協の取り組みが他の組織にも企業にも繋がっていってどんどんどんどん長崎県の取り組みが広がればいいなと思っています」

カーボンニュートラルの街づくり

チョープロは、およそ4年前、長崎市戸石町のおよそ2万2,000平方メートルの土地を購入し、来年夏から69戸の分譲住宅を順次、建設する計画です。

住宅には《カーボンニュートラルLPガス》を供給し、屋根には《太陽光パネル》を設置。蓄電池や電気自動車用の充電器も備えた環境に優しい住宅です。

チョープロ建築事業部 小川灯係長:
「住宅の快適性っていうのはなるべく損なわれずに、無意識に環境貢献ができる。蓄電池とか太陽光をリモコンで見える化できているので、そういうのを確認しながら省エネ意識を高めていっていただければなと思います」

この住宅には、カーボンニュートラルLPガスを使った床暖房などが備えられていて、一般住宅に比べて年間およそ2.7トンのCO2を削減でき、太陽光発電で電気代が抑えられるため、年間およそ13万8,000円の節約ができるといいます。

地球環境改善のために「企業が地域と共に行動することが大切」

桑原さん:
「地球規模(グローバル)の問題を地域(ローカル)で考えて行動するっていう造語なんですけど『グローカル』という視点で、地域から世界のことをしっかり考えて私たちが行動で示していくっていうことが大事なのかなという風に思っています」

日常生活に組み込むことで誰でも簡単にできる環境への貢献。チョープロが普及を目指すカーボンニュートラルLPガスは、その第一歩となるのかもしれません。

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