高尾山で「トリュフ」の一種が見つかる 一般客の採取は禁止「国定公園なので」

世界三大珍味の1つとされる「トリュフ」(写真はイメージ)【写真:写真AC】

投稿写真には1万5000件を超える「いいね」が寄せられる

世界の三大珍味といえば、キャビア、フォアグラ、トリュフ。フランス料理やイタリア料理などで使われ、高級食材としても知られている三大珍味のうちの1つであるトリュフが、東京の高尾山で発見された。発見されたのは高尾山さる園・野草園の中。一体、どういうことなのか? 担当者に話を聞いた。

高尾山さる園・野草園の公式X(旧ツイッター)の投稿は瞬く間に拡散された。「えっ!? 高尾山にトリュフ!?」。こうつづられた投稿には、1万5000を超える「いいね」がつくなど、大きな反響を呼んでいる。

高尾山さる園・野草園の担当者によると「具体的な場所については伏せさせていただきますが、草刈りや枝打ちといった園内の手入れ中に発見しました」と振り返る。専門家の国立科学博物館に鑑定を依頼したところ、トリュフの一種である「アジアクロセイヨウショウロ」と診断されたいう。

「トリュフ」とは地下に生息するキノコの一種で菌類の子実体。世界で180種類以上のトリュフが存在すると言われており、日本でも20種類以上が存在する可能性が高いとされている。大まかに「黒トリュフ」と「白トリュフ」に分類され、高尾山で発見された「アジアクロセイヨウショウロ」は一般的に「黒トリュフ」と呼ばれるものの一種となる。

発見した職員は「トリュフの仲間が日本にも分布していることは知っていましたが、探すつもりもないのに見つけられるとは、と思いました」と、まさかの発見に驚きを隠せなかったという。その一方で「高尾山は国定公園なので、動植物は採ってはいけないことになっています」とした。

発見されたトリュフは標本に加工するほか「当社は専門家がいないので色々調べながらになります」と、困難だとされる人工栽培にも挑戦するとか。大きな反響を呼ぶことになった投稿には「トリュフよりも豊かな自然とその多様性に関心を持ってもらうために情報発信しています」と、自然と多様性に対して多くの人に関心を持ってもらいたい、との願いが込められていた。ENCOUNT編集部/クロスメディアチーム

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