【50代からの快眠術】寝苦しい夏もぐっすり眠るための「寝室の工夫」とは?

本格的な夏に向けて徐々に寝苦しくなるこれからの時期。寝室を自分に合った快適な環境に整えることで、快眠の度合いがかなり違ってきます。寝具やパジャマ、温度・湿度などをチェックして、深い眠りとすがすがしい目覚めを実現しましょう。

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【照明】天井のライトよりも、暖色系のフットライトを選んで

寝室はできるだけ暗いほうが眠りにつきやすいもの。ベッドに入るまでの時間は天井照明よりも、暖色系のやわらかな間接照明をつけるようにしたい。

睡眠中に照明が欲しい場合は、小さなフットライトがおすすめ。

スマホやパソコンのブルーライトは睡眠ホルモンのメラトニンを減少させるので、寝室には持ち込まないこと。

ほんのりした明るさで眠気を邪魔しない照明

目に優しいオレンジの光で足元をほんのり照らす人感センサーつきLEDライト。夜中にトイレに行くとき、スイッチを入れなくても点灯する。取りつけはコンセントに挿すだけと簡単。
⚫︎人感センサー付きLEDライト 2480円/サンワサプライ ☎086-223-5680

【音】図書館レベルの静かな空間が理想

「寝室の静かさは、図書館と同じレベルの40デシベル以下が理想です」

エアコンなど家電の音が気になる場合は消音タイプのものに買い替えることも検討したい。難しければ好きな音楽を流して雑音を隠す「マスキング効果」を用いて寝つきやすい環境にしよう。

【香り・色】アロマや寝具の色で快眠効果を得られる

自分の好きな香りをかぐと心身がリラックスでき、快眠効果を得やすい。寝る前にアロマディフューザーなどを用いて、安眠を促すラベンダーの香りを部屋に漂わせてみては。

夏季のパジャマやシーツは青系の色にすると、目にも涼しく心を落ち着かせる効果もある。

【温度・湿度】夏は室温26度以下、湿度50~60%がベスト

エアコンや除湿・加湿器などを使って、寝室を快適な温度・湿度に保つことが大切。夏の温度は26度以下、春と秋は18~22度、冬は15~18度が目安。

湿度は一年を通じて50~60%を保ちたい。

「ひんやりした肌触りの夏用寝具の活用も検討するといいでしょう」

敷くだけで熱帯夜も快適なひんやり感

ナイロンより熱伝導性の高いポリエチレンを使用した「接触冷感」生地で、よりひんやりした冷感を実現。サイズはシングル、セミダブル、ダブル。色はブルー、グレー。
⚫︎冷感敷きパッド シングルサイズ 3608円/アイリスオーヤマ(アイリスコール) ☎0120-211-299

【パジャマ】汗を吸う長袖・薄手のパジャマが暑い夏も最適

部屋着のまま寝る人もいるが、パジャマに着替える行為が入眠儀式となって眠るモードへと切り替えやすくなる。肌触りのよさでリラックスもできる。

「夏でもコットンやシルクなど薄手の長袖パジャマを選びましょう。汗を吸い体温を下げる効果があります」

【マットレス】寝返りを打ちやすい高反発タイプがおすすめ

自分に合うマットレスは、「寝返りの打ちやすさ」と「寝姿勢の安定感」で選ぶ。購入時は下のポイントを参考にチェックを。

マットレスは反発力の違う「低反発」と「高反発」があるが、低反発のやわらかさや寝心地のよさに比べて、高反発はかたいからと敬遠する人も。

「実は高反発のほうが寝返りを打ちやすいのでおすすめです」

マットレスのチェックポイント

寝姿勢チェック

首から背骨、腰までのラインが自然なS字カーブを描いていればOK。腰やお尻が沈み込むようなら、よりかたいマットレスを検討する。

寝返りチェック

両腕を胸の前で交差させ、両脚をそろえて直角に曲げる。左右へ寝返りを打ち、余計な力を入れずに上半身・下半身を動かせたらOK。

【枕】わずか5㎜の高さが寝心地に影響する

平べったい形で、ややかたく反発力の強い枕が理想。

自分に合う枕の高さは人によって異なり、わずか5㎜の差が大きく寝心地に影響する。マットレスと同様、「寝返りの打ちやすさ」と「寝姿勢の安定感」がポイント。

「寝ているときでも立っているときと同じ姿勢を保てるかどうかが大切。できればマットレスと枕は一緒に選んでチェックしましょう」

自分に合う枕の高さの調べ方

首のカーブが自然な形になるか

首が自然な「Cカーブ」を描いていればOK。あお向けに寝て、額と鼻の先を結んだ線が床に対して5度の角度になっているか確認する。

寝返りが打ちやすいか

横向きに寝て、顔の中心と胸、おなかの中心を結んだ線が一直線になること。さらに床に対して平行になっていれば寝返りを打ちやすい姿勢。

※この記事は「ゆうゆう」2023年7月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

※2023年6月29日に配信した記事を再編集しています。


監修者
医師、医学博士 坪田 聡

つぼた・さとる●雨晴クリニック院長。日本睡眠学会、日本医師会所属。「快眠で健康な生活を送ろう」というコンセプトのもと、睡眠の質を向上させるための指導や普及に努める。2006年に生涯学習開発財団認定コーチの資格を取得し、睡眠コーチングを創始。総合情報サイト「All About」の睡眠ガイドとして情報発信中。

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