梅雨時のイライラを解消する2つの方法とは? カウンセラー 時田ひさ子さんが提案

ムシムシ・ジメジメの梅雨は、不快指数が急上昇するとき。イライしたり、疲れやすくなったり、心身ともに不調になりやすいときでもあります。いったい、どうしたらいいのでしょう。マチュア世代からの切実な悩みに、カウンセラーの時田ひさ子さんが5回にわたりアドバイス! 第1回は「梅雨時のイライラ」について。原因と解消法を探ってみましょう。

PROFILE
時田ひさ子
ときた・ひさこ●HSS型HSP専門心理カウンセラー
HSP/HSS LABO代表。早稲田大学文学部卒業。繊細で傷つきやすい一方で、好奇心旺盛で行動的という特性をもつHSS型HSP(かくれ繊細さん)の 研究とカウンセリングを行う。自らもHSS型HSPを自覚、生きづらさ研究歴は高校時代より35年に。著書に『その生きづらさ、「かくれ繊細さん」かもしれません』(フォレスト出版)など

<マチュア世代からの悩み>

雨が続くとイライラすることが多くなります。ふだんはやり過ごしていることさえも、イライラのタネになります。
たとえば夫。休日になるとテレビの前で朝から晩までゴロゴロ。コロナ禍はコロナ感染を理由に、そして雨天が続く梅雨時はそれを理由に、ますます外出しなくなります。そんな夫の存在そのものがストレスのもとで、「覇気がない」「趣味でも見つければいいのに」「どこかへ行けばいいのに」などとイライラが募ってしまいます。

神経とホルモンバランスの変化でイライラしやすい

同じものを見ても、天気がよくて湿度の低いさらりとした日と、雨続きでジトジトしている日では、イライラ度が変わってきますよね。だから、でしょう。梅雨時は「ふだんはやり過ごせることでも腹が立つ」という方、多いです。

では、なぜ梅雨時はイライラしたり、怒りっぽくなったりしてしまうのか?
私も、それが疑問でいろいろと調べてみました。

すると「梅雨時のイライラ」には、大きく2つの原因があることがわかりました。

ひとつは「自律神経の乱れ」です。
自律神経は外気の影響を受けやすく、気温や気圧や湿度が変化しやすい梅雨時は交感神経が優位になりやすいとのこと。交感神経が優位になると神経が高ぶって怒りっぽくなるなど、心のありようも変化しやすくなるようです。リラックスできないと眠りにつきにくくなり、睡眠不足にも陥りやすい。すると心も体も疲労が取れず、なおのことイライラが募りやすくなるのです。

もうひとつは「ホルモンバランスの変化」です。
曇りや雨の日が多い梅雨時は日照時間が短くなります。日照時間と気分には深い関係があります。具体的にいうと、太陽の光を浴びると体内で幸せホルモンとも呼ばれる「セロトニン」が分泌されるといわれます。日照不足でセロトニンの分泌量が減るとイライラしたり落ち込んだりネガティブな気持ちになりやすくなることもわかっています。
セロトニンが不足すると、夜になると睡魔を誘う「メラトニン」というホルモンの分泌も減り、ますます眠れなくなったり眠りが浅くなったりしてしまうわけです。

梅雨時は、湿気対策が不可欠

「梅雨時は、自律神経の乱れとホルモンバランスの変化でイライラが募りやすいとき」と認識することが大事なんです。
そして、その対策を立てていきましょう。

まずは湿気を除去しましょう。
窓が開けて扇風機やサーキュレーターを活用すると換気はできますが、湿度は下げられません。エアコンの除湿(ドライ)機能や除湿器を使って湿気を取り除きましょう。
湿度の変化が抑えられれば交感神経が優位に立ち続けることも避けられるし、不快感が減ればなおのことイライラが起こりにくくなるでしょう。

一人になれるスペースと時間を持つ

また、「家でごろごろしている夫の存在そのものがストレスのもとで『覇気がない』『趣味でも見つければいいのに』『どこかへ行けばいいのに』などとイライラ」するとのことですが、他人の行動や意識を変えようとしてそもそも無理なのです。他人と過去は変えられないんですよね。 なのに「変えよう」としたら、変わらないことにますますイライラが募ってしまいます。奥様がイライラしていたら、ご主人も気分が悪くなりますよね。そして、それは夫婦関係の悪化につながってしまいます。

「自分が変えられるのは自分だけ」と認識し、相手の行動を変えようとするのではなく、自分のイライラを抑える方法を考えましょう。

そのひとつは自分だけのスペースを持つことです。

実は、人は視覚から入ってくる情報に感情を引き起こされやすいんです。つまり、ゴロゴロしている夫の姿を見ることで「嫌だ」という感情が引き起こされ、イライラしてしまうわけです。
ならば、ご主人の姿を見なくてもすむような場所へ避難してください。

可能なら自分の個室を持てると最高です。たとえば自立したお子さんの部屋を自分の部屋にしてはいかがでしょう。そこで思い切りネット三昧したり、本を読んだり、趣味の手芸をしたり、誰にも見られないところで好きなことをするんです。

自室を持つのが難しければキッチンの隅とか、イライラのもとであるご主人の姿が見えないところに自分のスペースを作るのもいいですね。ちなみに私は脱衣所に快適な椅子を置き、パソコンを持ち込んで一人の時間を楽しむことがあります。

人はニオイにも影響されやすいので、一人のスペースに好きなアロマなどをおくのもいいですよ。香りが五感に働きかけ、梅雨時期の不快指数をさげてくれるはずです。

イライラしそうになったら、外へどんどん避難してしまうのもおすすめです。
自分好みのカフェで2時間ほどくつろぐなど、湿度の低い快適な場所で自分だけのとっておきのひとときを過ごすうちに副交感神経が刺激を受けてリラックス状態になり、イライラも収まります。

※2023年6月22日に配信した記事を再編集しています。


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