「ようやく始まった!」公費解体に着手 能登半島地震からもうすぐ半年 富山・氷見市

元日の能登半島地震で建物への被害が相次いだ富山県氷見市北大町で、所有者に代わって自治体の費用で建物を解体・撤去する「公費解体」が始まりました。

記者:「こちら北大町では、作業員たちが通路確保のため撤去作業にあたっています」

能登半島地震で液状化による建物への被害が相次いだ氷見市北大町では、倒壊した酒店を含む4棟の「公費解体」が始まりました。

「公費解体」は地震で半壊以上の被害を受けた住宅などを自治体が所有者に代わり解体・撤去する制度です。

初日は、作業員がトラックや重機が通る場所を確保するため廃材などの撤去を行いました。

三興土木 野田賢治さん: 「住んでたみなさんの大事な思い出の詰まった住宅なので、丁寧に真心を込めて解体したいと思います」

地震からまもなく半年。ようやく始まった「公費解体」に地元住民は…。

近所の人: 「本当になんとかしてよとずっと思っていたので、待ち望んだ日だなと、さっきも出てみましたが、ようやくはじまったなと思って。早く進んでなんとかちゃんとした状態で戻ってこられるのを待ちたいなと」

近所の人: 「ぜんぜん変わらないっていうのがすごくあって、ようやく始まったと…。切り替えていかないとね。いつまでも気持ち止まっているわけにはいかないので、一歩前進していくかなと」

前向きな声が聞かれる一方で…。

近所の人: 「やっぱり壊さないといけないんだなと思ってとても悲しいです」

近所の人: 「やっぱり町寂しくなるな、北大町なんて40軒くらいなくなると言われてますのでだんだんみんな寂しくなるなと言っております」

氷見市では、これまでに全壊223棟、半壊485棟を含む6300棟以上で住宅への被害が確認されています。(全部で6337棟)「公費解体」の申請はすでに300件を超えていますが、解体が行われたのは、この日の4件を含めわずか10件に留まっています。

北大町の町内会長は…。

加納町の町内会長 番匠光昭さん: 「今のままの状態でずるずると半年もきたからみんな疲れきってしまって…」

毛田千代丸キャスター: 「公費解体遅いという印象?」

加納町の町内会長 番匠光昭さん: 「そうですね。これは氷見だけじゃないのかもしれないけどね。早めに早めに動いてほしいです、そうでないと町内としても動きようがないというか…」「いつになったら復興とか言える言葉になるのかまだ1年も2年も大変な年を過ごさなければならないと思います」

氷見市では、公費解体を来年度末までに終えたいとしています。

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