室内飼育の愛猫が見せる『亡くなる前兆』3つのサイン 飼い主さんがお別れ前にできることも紹介

1.行動が変化する

猫の死の前兆として最も分かりやすいのは、行動の変化です。

病状により異なりますが、活動量が著しく低下したり、食べ物を口にしなくなることがあります。とくに、老齢になり身体的な衰弱とともに好物を食べなくなった場合は死期が目前に迫っているサインかもしれません。食べられそうなものを探しつつも心構えをしておいた方がいいでしょう。

その他に、亡くなる前兆としてよく見られる行動としては、トイレの失敗が挙げられます。身体的苦痛や衰弱のため移動が困難になったり、意識が朦朧としてトイレの場所が分からなくなったりするためです。

また、『猫は死を察すると姿を消す』などと言われるように、室内飼育されている猫も隠れようとする傾向があります。

今まで入ったこともないような場所、例えば屋根裏や押し入れの中などに隠れたがるかもしれません。反対に、死ぬ間際に甘えたがる猫もいるようです。

2.見た目が変化する

猫は死期が近づくと、見た目にも変化が表れます。

例えば、病気の進行によって体重が減少し、げっそりと痩せてしまうケースです。猫がよく発症するといわれる腎不全も、栄養状態が悪化しやすく脱水も起きてしまうため、どんどん痩せていきます。食べても体重が減るころには、かなり進行している可能性があるでしょう。

また、室内飼育の猫は基本的に毛並みが綺麗ですが、死が近くなるとボサボサと荒れた毛並みになることがあります。これは病気によって食欲がなくなり、栄養不足になることが原因です。また自分で毛づくろいをする体力がなくなってしまっているケースもあります。

その他、鼻水や目ヤニが増えたり、目の焦点が合わなくなることも。痛みに耐えるため眼つきが鋭くなる場合もあります。

3.バイタルサインが変化する

バイタルサインの変化も、猫の死の前兆です。「バイタルサイン」とは、脈拍・呼吸・体温・血圧・意識レベルのことを指します。いずれも死の直前には大きく変化するため、猫の死期を予測する大きな情報となります。

例えば、呼吸の正常値は1分間に15~30回程度ですが、死ぬ間際には大きく低下(病因によっては増加)します。体温や血圧も、基本的には死が近づくにつれて低下するでしょう。体温の正常値は38~39℃、平均血圧の正常値は80~120mmHgとなっています。

ただし興奮や緊張している場合や痛みが強い場合は、いずれの数値も一時的に上昇することが珍しくありません。

自宅ですべてを計るのは難しいかもしれませんが、呼吸数など目に見える数値を日頃から測定する練習をしておくと安心につながるでしょう。

飼い主さんがお別れ前にできること

では、愛猫の「亡くなる前兆」のサインが確認できてしまった場合、飼い主として愛猫のためにどのようなことができるのでしょうか。

病院で最終的な治療方針を相談する

長らく動物病院に通っていた猫にとっては、いよいよ最後の治療相談となります。

治療としてまだ余地があるのか、緩和治療が可能かどうか、獣医師とよく話し合いましょう。その際には、猫への心身的負担を考慮することが大切です。

安心して過ごせる場所を用意する

最期のときを自宅で迎えると決めたら、安心して過ごせる場所を作ってあげましょう。慣れ親しんだハウスやベッドがおすすめです。生活環境を大きく変えることは勧められませんが、寝たきりで床ずれなどを起こさないよう低反発の敷物や、極端に体温が下がらないよう軽くて柔らかい毛布は用意してあげたいところです。

また、食べやすいフードやオヤツ、寝たまま飲水できるスポイトなどを用意しておくことも忘れないようにしましょう。

供養の方法を決める

人間と同じように、猫が亡くなったあとも決めることがたくさんあります。

生きているうちから供養のことを考えるのは気が引けるかもしれませんが、理想のお別れがあるならば、少しでも早めに着手しておくのが安心です。

どこで火葬してもらうのか、「個別火葬」と「合同火葬」のどちらにするか、遺骨はどうするかなど、家族と相談しておくといいでしょう。

まとめ

冒頭でも書きましたが、猫は亡くなる際に姿を消すと言われています。しかし、室内飼育の猫の場合、姿を消すより前に、さまざまなサインで「亡くなる前兆」を確認できてしまうでしょう。

そのため、愛猫の行動や見た目に変化がないか、よく観察することが大切です。

最期のひとときを後悔なく迎えるために、お別れ前にしてあげたいことをリストにしておくのもいいでしょう。

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