カセットコンロ・ガスには「使用期限・種類」あり 自分に合ったものを備え、定期的な確認を! 秋田

自然災害が発生するとライフラインが止まり、それまでと同じ生活を送ることが難しくなる可能性がある。災害時の調理に欠かせない「カセットコンロ」について考える。

大雨や地震など自然災害が発生するとライフラインが止まる可能性がある。電気やガスが使えないときのために備えておきたいのがカセットコンロだ。「命を守り、つなぐすべ」を広く伝えている日赤秋田短大の講師・及川真一さんと考える。

一口にカセットコンロと言っても、家庭で一般的に使用されているものと、風よけがついたアウトドア用に作られたもの、2つのタイプがある。

カセットガスを使った調理器具は、屋内ではあまり天候に左右されないが、屋外では風の強さや気温によって火力などに影響を受ける。火力が弱いとガスが多く消費されるだけでなく、加熱されないなど調理が進まない可能性がある。

外でも安心して使えるのは「風よけ」が付いたタイプのコンロ。屋外での利用を想定して設計されている。一方「室内でしか使わない」という場合は、風よけのないタイプを選んで良い。

購入前にどのような場面で使うか考え、自分に合うかどうか確認することが大切だ。

もう一つは燃料。カセットガスには実は種類があるのを知っているだろうか。

例えば秋・冬になり外気温が下がってくると、ガスを換えないと火力が弱くなるという。及川さんは「カセットガスにもノーマルと低温時用というのがある。秋田の冬には低温時用の方が良いと思う」とアドバイスする。

メーカーによって性能が異なるが、スーパーマーケットなどで販売されている一般的なカセットガスが使えるのは、外気温が10度以上のとき。10度を下回ると気化しにくくなり、5度以下になるとほとんど気化しないという。

一方「低温時用」のものは、外気温5度以上が目安。5度を下回ると気化しにくくなり、0度以下になると「使えない」とされているが、冬場でも使用できる可能性が高い。

日常やアウトドア用、災害時の備蓄としてカセットガスとコンロを持っている人は多いと思うが、それで安心してはいないだろうか。

及川さんは「ガスの缶の底に製造年月日が書かれている。製造から7年経過したものは廃棄した方が良い。缶の中の目で見えない場所にゴムパッキンが使われていて、このゴムの劣化が7年と言われている。目で確認ができないものなので、使用している際にガスが火に移って爆発してしまうケースもある」と注意を促す。

「使用期限」はカセットコンロも例外ではない。

取材時に及川さんが用意してくれたコンロの使用期限は10年。東日本大震災から13年経過しているので、そのときに購入した人はもう買い替え時期がきているという。

及川さんは「カセットコンロは10年。カセットガスは7年。そして、ガスには種類があることを覚えておいてほしい」と話す。

農林水産省が示す「緊急時に備えた家庭用食料品備蓄ガイド」によると、大人1人の1週間分の備えは、カセットガス約6本とされている。また、気温が10度のとき、食事を作る・飲み物を温めるなどで大人2人が1週間に必要とするガスは9.1本だ。

期限の古いものから消費し、消費した分を買い足すことで常に一定量を備蓄できる「ローリングストック」で備えてみてはいかがだろうか。

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