高岡銅器でセナ追悼の胸像 F1「音速の貴公子」没後30年 森のふれあい倶楽部、20個製作

高岡銅器で製作されたセナの胸像=高岡市の高岡おとぎの森公園

 自動車レースのF1で「音速の貴公子」と呼ばれ、日本でも人気を博したブラジルの国民的英雄アイルトン・セナの事故死から30年、高岡市の高岡おとぎの森公園を指定管理する森のふれあい倶楽部(くらぶ)は高岡銅器による胸像20個を製作し、公園内のおとぎの森館に1個を並べた。関連グッズも展示しており、伝説のドライバーを追悼している。

 胸像はセナのファンである高岡おとぎの森公園の吉﨑正人所長(67)が没後30年に合わせ「高岡銅器で胸像を作ってはどうか」と森のふれあい倶楽部の運営委員会に提案し、賛同を得て高岡市内の銅器業者に依頼した。

 胸像は高さ14センチ、幅9センチ。完成した1個をおとぎの森館にある「セナコーナー」に展示した。残りの胸像は昨年5月、園内にセナが乗車したF1カーを展示したイベントに協力したボランティアらに贈った。

 コーナーには吉﨑所長が収集したF1のミニカーやレプリカのヘルメット、レーシングスーツ、フィギュアなどのコレクション約150点が展示されている。

 セナの現役時代にヘルメットの担当者として世界を転戦した元ホンダ社員の川﨑和寛さんにもコレクションの話が伝わり、川﨑さんとの交流をきっかけにF1カー展示が実現し、当日は1日の来園者数で過去最多となる約2万人が訪れた。

 その盛況ぶりに感動した川﨑さんが昨秋に公園を訪れ「セナのコーナーに飾ってほしい」と石こうで作られたセナの人形を吉﨑所長に譲った。今回の高岡銅器の胸像はこの人形を基に作られた。

 吉﨑所長は「時代が変わってもセナの人気、実力が色あせることはない。そんなレジェンドの車が展示できたことにも感謝しながら、節目をしのびたい」と話した。

 ★アイルトン・セナ 1960年サンパウロ生まれ。84年にF1にデビューし、翌85年のポルトガルGPで初優勝。88年にマクラーレンに移籍し、ホンダ・エンジンで全16戦中8戦に優勝、初の総合チャンピオンの座に就いた。「音速の貴公子」の異名を持ち、ブラジルの国民的英雄。90、91年は日本GPで総合優勝を決め、日本のF1人気を高めた。94年のサンマリノGPで事故死した。

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