盛岡と台湾の生徒が文通、友情育む 震災の恩返し交流が発展

台湾から届いた手紙を手にする下橋中の生徒。「まだ見ぬ友達」と文通で友情を育んでいる=盛岡市馬場町

 まだ見ぬ友達へ、お元気ですか? 岩手と台湾の同学年の子どもたちが手紙で心を通わせている。岩手県内外の有志でつくる「謝謝台湾隊」(本部・盛岡市)が橋渡し役となり、盛岡・下橋中(泉沢毅校長、生徒205人)の生徒が台湾から届いた手紙に返事を書いた。台湾隊が東日本大震災支援の恩返しのために始めた交流活動が文通に発展。日台の子どもたち同士が友情を育んでいる。

 まだ見ぬ友達へ、私たちは元気です。台湾隊の支援者が5月下旬、下橋中から預かった返事の手紙29通を台湾に持参。最初に手紙を書いた当時の児童が通っていた嘉義県民和国民小の呉長翰(ウーチャンハン)教諭(43)に託した。今月にかけ、今は中学2年になった子どもたちに呉教諭が届けたという。

 返事を書いた下橋中2年の阿部歩実さんは「台湾のお祭りについて書いてあったので、さんさ踊りを紹介した。海外の人に手紙を書くのは初めて」と笑顔を見せ、村木理貢さんは「肉料理と新幹線について書いた。台湾との心の距離が近くなった気がする」と実感を込めた。

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