豪中銀、追加引き締め排除せず インフレ上振れリスク警戒

[シドニー 26日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)のケント総裁補は26日、金融政策は制限的で、現行の政策金利が多くの家計に経済的負担をもたらしていることを認識しているが、インフレ抑制に必要なら追加引き締めも排除しないと述べた。

ケント氏は銀行業界向けの講演で、現行4.35%の政策金利が需要の伸び鈍化とインフレ率低下につながっていると述べた。

「金利上昇により、多くの人が家計への圧迫を感じていることは認識している」と述べ、住宅ローンの支払いが可処分所得の10%を占める水準にまでに増加していることに言及した。

金利は中立金利(景気を熱しも冷ましもしない水準)の推計値を明らかに上回っていると述べた。

中銀は18日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを市場の予想通り12年ぶり高水準の4.35%に据え置いた。据え置きは5会合連続。インフレの上振れリスクを踏まえ利上げの是非を議論。最終的には据え置きを決定し、利上げへのハードルが依然高いことが示された。

ケント氏は緩和を急ぐ必要はないとし、「足元の経済指標はまちまちだが、インフレの上振れリスクを警戒する必要性が高まっている」と指摘。「そのため金利動向に関して中銀は何も決定していない」と述べた。

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