韓国中銀、ウォン安加速リスク指摘 必要に応じ対応へ

[ソウル 26日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)は26日公表した金融安定報告書で、ウォン安圧力が再び強まる可能性があるとし、リスク要因の監視を強化し、必要に応じて市場を安定させると表明した。

「ウォンの下落圧力が再び強まる可能性を完全に排除することは困難」とし、米利下げ観測の後退や中東の地政学的対立、円・人民元の下落などを主なリスク要因に挙げた。

韓日の財務当局者は今週、自国通貨の下落を巡り共通の懸念を示した。

韓国中銀は最近のウォン安について、ドルの上昇より急速だと指摘した一方、大半の投資銀行の予想では今年末にかけてウォン相場は安定する見通しだとした。

金融システムに対する国内の主要なリスク要因としては、不動産プロジェクト融資へのエクスポージャーを挙げた。

不動産関連リスクが金融システム全体の問題に発展する可能性は低いものの、不動産市場の低迷や投入コスト上昇の中で不動産プロジェクトのデフォルト(債務不履行)リスクは高まっており、ノンバンクセクターでは延滞率が急上昇していると警鐘を鳴らした。

その上で、効果的な政策対応ができるよう国内外のリスク要因の監視を強化すると表明。また、他の当局と緊密に協力し、適時に安定化策を実施することで予期せぬ市場の不安定要因に対処すると述べた。

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