なぜ大谷はオールスターで「最多得票」を取れないのか…圧倒的成績を残しながら首位と26万票の大差

大谷翔平(C)ロイター/USA Today Sports

米大リーグのオールスターゲームファン投票第2回中間結果が日本時間25日に発表され、ドジャース・大谷翔平(29)が177万3404票を集めて前回に続いてナ・リーグDH部門でトップ。

1次投票で最多得票になると、2次投票に回ることなく球宴でのスタメン出場が決まるが、同リーグの最多得票はフィリーズの一塁手ブライス・ハーパー(203万7523票=顔写真)。大谷は3位で、1次投票の締め切りが28日に迫る中、約26万票差を覆すのは厳しそうだ。

打撃絶好調の大谷は25日現在、いずれもリーグトップの打率.318、23本塁打、同3位の58打点。一方、最多得票のハーパーは打率.303(同7位)、19本塁打(同3位)、56打点(同4位)。フ軍の主砲として申し分のない成績とはいえ、打撃3部門の全てにおいて大谷に及ばない。 大谷、ハーパーとも過去にMVPを2度受賞。どちらもメジャーを代表するスーパースターとはいえ、ファン投票で20万票以上も大差がつくのはどういうわけか。

大リーグに詳しいスポーツライターの友成那智氏がこう言う。

「フィリーズは東地区で、6連覇中のブレーブスを抑えて首位を独走。52勝26敗の勝率.667は、ドジャース(.613)、ア・リーグのガーディアンズ(.658)などを抑えてメジャートップです。ハーパーはともかく、三塁手のボームも大谷を上回る約196万票を集めている。今季は同地区のブレーブス、メッツが振るわないこともあって東海岸ではフィリーズに対する期待感が高まり、にわかファンが増えているのです。フ軍は昨季まで2年連続でポストシーズンに進出したものの、地区優勝は2011年を最後に遠ざかっている。13年ぶりの地区優勝に向けてチームを牽引する主砲は例年以上に熱い支持を受けているのでしょう」

ハーパーは、22年11月の右肘靱帯を修復するトミー・ジョン手術から完全復活を果たした。

「昨季、ナ・リーグ2冠王(54本塁打、139打点)のブレーブスのオルソンが、今季は低調(打率.246、12本塁打、40打点)。これがフィリーズの後塵を拝する一因になっている。こうした状況を鑑みるとブレーブスファンの票もハーパーに流れているのではないか」(友成那智氏)

天下の大谷も、東海岸のにわかファンの取り込みは難しいということだ。

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それでもオールスターへの出場は確実視されているが、そこで出場が見込まれているホームランダービーは今夏で見納めになりそうだ。いったいなぜか。

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