幻の「Surface Duo 3」、特許文書から姿が判明。マグネット式キックスタンドなど搭載か

Image:Jack Skeens/Shutterstock.com

マイクロソフトは2画面Androidスマートフォン「Surface Duo」を2世代にわたり投入したが、3世代目にしてひと繋がりの画面を折りたたむ方式へと転換。それも開発半ばでキャンセルして未発売に終わったと報じられたのが、昨年初めのことだ

ついに日の目をみることがなかった「Surface Duo 3」だが、マイクロソフトが出願した特許文書でその一端が明かされたと報じられている。

Surface Duoは、1枚のフレキシブル画面を折りたたむのではなく、2つのディスプレイをヒンジで連結し、それぞれ別々のアプリを使えるコンセプトだった。そのアイデアが狙い通りに活かせれば良かったが、ハードウェアを活かすキラーアプリが出てこなかった上に、動作がモタついたりバグが頻発したため、好評を得ることはできなかった。

マイクロソフトの未発表製品に詳しいWindows Centralによれば、Surface Duo 3になるはずだったコードネーム「Neon」は、Galaxy Z FoldシリーズやPixel Foldのような内側に折りたたむディスプレイと外側カバー画面を備えていたという。180度開くヒンジ、背面にはトリプルカメラ、全体のアスペクト比はタテ長だったと述べている。

さらに同サイトは、米Patently Appleが発見したマイクロソフトの特許出願が、実際のSurface Duo 3がどのようなものだったかを「正確に」示していると主張している。

まず背面カメラの配置が明らかに変わっており、左上にあることやトリプルカメラ構成など、iPhone 15 Proと近くなっている。またカバー画面や折りたたみ画面を備え、どちらにもディスプレイ内に自撮りカメラセンサーを搭載。一般的なブック型の折りたたみスマホと、ほぼ同じ印象である。

Image:Patently Apple

注目すべきは、マグネット式のアクセサリーが背面に取り付けられることだ。デバイスを開いたときも閉じたときも支えられるキックスタンドであり、iPhoneのMagSafeとよく似た発想である。

Image:Patently Apple

またWindows Centralの情報筋によると、Surface Duo 3には押すだけでスマートフォンを展開できる電源ボタンが搭載される予定だったという。いずれも他社の折りたたみデバイスにはなく、実現していれば素晴らしい使いやすさを体験できただろう。

しかし、マイクロソフトは自社製Androidスマホ開発を放棄したと強調されている。これまでスマホ市場を牽引してきたサムスンでさえ、折りたたみ製品では厳しい戦いを強いられており、撤退は正しい判断だったのかもしれない。

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