心理学的に「笑いながらは泣けない」 これをゴルフに応用するとメンタル最強になれる!

トーナメント中継では、トッププロの態度や仕草にも注目。一流といわれている人ほど、例えミスをしてもガッカリした様子は見せず、堂々としている。実はこれも彼らが身に付けているメンタルテクニックの一つなのだ

アメリカのあるバラエティショーで、一般の人々をスタジオに集めて、「1分以内に悲しみの涙を流した人には1万ドルを差し上げましょう」という実験が行われました。ただし、単に“涙を流せばいい”というのではありません。「笑顔の表情を浮かべながら悲しみを呼び起こして涙を流せ」という条件がありました。

参加者は1万ドルのため、笑顔を作りながら悲しい出来事を思い出し、涙を流す努力をしたのですが、賞金獲得者はゼロでした。

なぜ誰も課題をクリアできなかったかというと、「感情が行動を支配する」のではなく、「行動が感情を支配する」からです。もう少し分かりやすくいうと、皆さんが思っているように、「悲しいから涙が出る」のではなく、実は、「涙が出るから悲しくなる」のです。
 
「そんなばかな」と思われる人は、笑顔を作りながら悲しい出来事を思い出してみてください。誰にでも一つや二つ、「あのことを思い出せば涙が出る」ということがあると思いますが、笑顔を浮かべながらでは涙がこぼれないはずです。

実はゴルフのトッププロたちは、これと同じメンタルテクニックをマスターしています。彼らが身に付けているのは、「激しく落ち込むようなショットを打ったときでも、自信に満ちた表情と仕草を失わない」というテクニックです。とんでもないミスをして、「オレって何て下手くそなの」と思っても、態度や仕草が自信に満ちていれば、“落胆”という感情は自然と消えていき、ショックを引きずることなく次のショットが打てるのです。

次にラウンドするときは、自分がスコッティ・シェフラーにでもなったつもりで、どんなミスをしようが堂々とした態度でプレーをし続けてみてください。例えゴルフの調子が悪くても、スコアはアップするかもしれませんよ。

■児玉光雄
追手門学院大学特別顧問。過去25年にわたりツアープロのメンタルカウンセラーを務める。現在、6名のツアープロのメンタル面をバックアップしている。日本スポーツ心理学会会員

※『アルバトロス・ビュー』892号より抜粋

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