大正時代の“さい銭箱”盗まれる 引きずったような跡も… 「さい銭箱だけでも返して」 住民訴え 熊本・南阿蘇村

熊本県南阿蘇村の神社で、100年以上前に奉納されたさい銭箱が盗まれました。地域の人たちは「さい銭箱だけでも返してほしい」と訴えています。

さい銭箱が盗まれたのは、南阿蘇村の下田地区にある下田西野宮(しもだにしのみや)神社です。

長野良市 下田区長「さい銭箱ごと持っていくというのが、とても信じられない」

地域の人によりますと、きのう(6月25日)の朝、参拝した人がさい銭箱がないことに気づき、警察に通報しました。おとといの夜からきのうの朝にかけて盗まれたとみられています。

この神社では、7月14日にコロナ禍で中止していた地区の夏祭りを5年ぶりに行うため、準備を進めているところでした。

下田区長「夏祭りの準備をやっている最中に起きた盗難事件だったので、みんなショックを受けている」

さい銭箱は大正4年(1915年)に奉納されたもので、地域で長年大事にされてきました。

下田西野宮神社 市原恵一 宮総代長「大正4年からの品物ですので愛着もありますし、ぜひ、さい銭箱だけでも探し出してもらえればありがたいなと思っています」

さい銭箱は重さが40キロ以上あり、境内にはさい銭箱を引きずったような跡も残されています。

被害届を受け、警察は防犯カメラの映像などを確認して捜査するとともに、不審な人物や車を見かけた時は、警察に通報してほしいと呼びかけています。

なお、これまでに周辺の神社では被害は確認されていないということです。

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