私的流用問題の社会福祉法人に川崎市退職者5人

川崎市川崎区の社会福祉法人「母子育成会」の前理事長がおよそ8億円を私的に流用していた問題。前の理事長体制時の理事、監事及び評議員15人のうち5人が川崎市の退職者だったことが分かりました。

この問題は、特別養護老人ホームや認可保育所など川崎市内を中心に7つの施設を運営する川崎区の社会福祉法人「母子育成会」の前理事長が、およそ8億4600万円を横領していたとされるものです。

前理事長は2000年から2005年5月末まで法人の理事、2005年6月からことし3月29日まで理事長を務めていました。

24日に開かれた市議会の一般質問で、市側は前理事長体制時、理事や監事、評議員の15人のうち5人が市の退職者だったことを明らかにしました。

また、施設の用地として最も早い時期で1996年から法人に8施設に市有地を無償で貸し付けているということです。貸付期間は原則無期限で、市の担当者は「財産条例に基づいたもの」としています。

また、前理事長の父親は現在の副市長にあたる助役を務めていた人物で、その任期期間中だった1993年から2001年まで聖マリアンナ医科大学の理事も兼任。

1994年度から「夜間急患センター整備事業」への補助として法人の運営する病院におよそ7500万円の補助金の交付が始まり、昨年度もおよそ2200万円が交付されたということです。

法人は前理事長に対し全額返金を求めるとともに、4月30日、業務上横領の疑いで告訴状を提出しています。

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