「ひとつの時代が終わった…」米女子代表の“生ける伝説”モーガンがパリ五輪メンバー落選にメディアもファンも衝撃! 本人は「失望している。でも…」

現地6月26日、アメリカ女子代表チームのエマ・ヘイズ監督がパリ五輪に臨むメンバー18名を発表した。ひとつのサプライズは前線の絶対的エースとして長く君臨してきた“生ける伝説”、アレックス・モーガンの落選だ。

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五輪本大会の登録メンバーはわずか18名で、フィールドプレーヤーは16名のみだ。ヘイズ監督は「もちろん17日間を戦い抜くうえで複数のポジションをこなせる選手が必要であり、加えてフォワード陣は調子の良い選手が多い」と説明。そのうえで「代表チームにおける実績と歴史を考えれば、アレックスを外すのはきわめて難しい決断だったが、また新たな方向性で前に進みたいと思って決めた」と想いを明かし、「彼女と仕事をしたのは前回の合宿が初めてだったが、その人間性とプロフェッショナリズムに感服した」とも話している。

その直後にはモーガン自身がSNSで声明を発表。「今日、オリンピックの舞台で我が国を代表する機会を得られず、失望しています。いつも私の心の中にあった大会であり、エンブレムを胸に大きな誇りを抱いて戦ってきたからです」と悔しさを滲ませつつも、「でもあと1か月、チームをサポートして、みんなで彼女たちを応援することを楽しみにしています。 さあ行こう」と書き添えた。

モーガンは2008年のU-20女子ワールドカップで母国の優勝に貢献。以後、天性のスピードとゴール嗅覚を駆使してA代表でもメキメキと頭角を表わし、3度の五輪出場(金メダル1個、銅メダル1個)、4度のワールドカップ出場(優勝2回)など金字塔を打ち立てた。通算123得点(224試合)は現役トップにして歴代5位だ。

しかしながら、昨年の女子ワールドカップでは自身初の無得点に終わり、チームは史上初となるラウンド16での早期敗退。今季の米リーグNWSL(サンディエゴ・ウェーブFC)でも、ここまで8試合に出場してノーゴールと不調に喘いでいた(代表戦も今年行なわれた4試合で0得点・1アシスト)。モーガンは7月2日に35歳の誕生日を迎える。

4人のバックアップメンバーにも名を連ねていないモーガン。驚きの一報にアメリカのメディアやファンは小さくない衝撃を受けている。全国紙『USA TODAY』は「モーガンはオリンピックの厳しい生存競争に敗れた。2008年から続いていた主要国際大会への出場がついに途切れたのだ」と報じ、米ネットワーク『ESPN』のキャスターであるサラ・スペイン氏はXで「うわぁ、モーガンがいない。ひとつの時代が終わってしまった…」と嘆いた。

米ファンからも「あまりにも突然の別れ」「悲しいけどこれが現実」「調子悪かったからなぁ」「当然の決断だろう」「アレックスがレジェンドであることに変わりはない!」「いつかはこの日が来るんだ」など、さまざまな声が寄せられている。

パリ五輪・女子サッカー競技には12か国が出場する。アメリカはB組でドイツ、オーストラリア、ザンビアとグループステージを戦い、日本はC組でブラジル、スペイン、ナイジェリアと同居。競技は7月25日に幕開けとなる。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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