2日連続で詐欺被害防ぐ 金沢東署、八田町のコンビニに感謝状

感謝状を受け取った髙井さん(左)=金沢東署

  ●「パソコンがウイルス感染」「携帯電話の未納料金払う」

 金沢東署は26日、特殊詐欺による被害を2日連続で防いだとして、ファミリーマート金沢八田町店に感謝状を贈った。同店は高齢者が多い地域にあり、日頃から徹底している従業員間での情報共有や声掛けが犯罪阻止につながった。同署では被害を水際で食い止めるため、地域の小売店や金融機関などとの連携をさらに強めていく。

 署によると、5月2日午前10時ごろ、来店した80代男性が電子マネー4万円分の購入を申し出た。レジで接客した女性店長が用途を尋ねると「パソコンがウイルス感染した。修理のため、カードの番号を送らないといけない」などと話したため詐欺を疑い、110番通報した。

 3日午後6時40分ごろには、70代女性が携帯電話の未納料金の支払いとして30万円分を購入しようとしたため、接客した男性従業員が不審に思い、警察に通報した。

 管内では今年、5月末までの特殊詐欺の件数は市内3署で最も少ない3件、被害額は約280万円となっている。ただ、表に出ていない被害がある可能性があり、2日連続で食い止められたことを受けて藤嶋誠署長は「機転の利いた対応で引き続き協力をお願いしたい」と期待した。

  ●「勇気もって声掛けしたい」

 署で行われた式では、藤嶋署長から感謝状が手渡され、オーナーの髙井信宏さん(58)は「高齢のお客さまには言いづらい部分もあるが、勇気をもって声掛けをしたい」と意気込んだ。

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