自販機、券売機改修急ぐも富山県内一部で遅れ 新紙幣、3日発行

  ●コンビニ、金融機関OK

 約20年ぶりに新紙幣が発行される7月3日まで10日間を切った。富山県内でも紙幣を扱う企業や飲食店が自動販売機や券売機などの改修、更新を急ぐが、高額な費用がハードルとなり、一部では間に合わない見通しだ。消費者にとっては、買い物をする際に手持ちの現金で支払えず、不便が生じる可能性がある。

 遅れが目立つのは飲料の自販機だ。富山、石川などに約2万8千台を設置する北陸コカ・コーラボトリング(高岡市)は、紙幣読み取り部の交換を行っており、7月3日以降も正常に動作するか確認しながら作業を続ける予定だ。

 業界団体の日本自動販売システム機械工業会によると、全国の設置台数は約220万台。自販機を運営する大手飲料メーカーの広報担当者は「改修には1台当たり数万円がかかる」と指摘。使用頻度の高い立地から手を付けているが、このメーカーの場合、25年度末でも8割程度しか完了しない見通しだと明かす。

  ●駅員対応で補う

 富山地方鉄道(富山市)は、バスや鉄道、市内電車の両替機の読み取り部分を交換する。7月3日までには完了する予定だ。ただ、鉄道の一部の駅では券売機の部品交換が間に合わない見通しで、担当者は「駅員が対応するので問題ない」としている。

 生活に身近なコンビニでは準備が進み、客が機械に紙幣を入れるセルフレジの更新は完了する見込みとなっている。金融機関もATMや両替機のほぼ全てが間に合いそうだ。コインパーキングでは大手のパーク24が約1万8千カ所の全てで新札に対応する。

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