打席での粘りで存在感。オリックス西野真弘は「ファールを打つ練習をしてる」【オリ熱コラム2024】

オリックスの西野真弘は6月26日現在、45試合に出場して打率.333(132打数44安安打)。右太腿の故障により途中離脱があったため規定未満ながら、好調をキープしている。相手先発が左の場合スタメンから外れるが、右投手相手には粘り強さを発揮しており、25日のソフトバンク戦では有原航平相手に計31球も放らせている。

好調を維持している西野だが、「まだまだ行けます」と向上心を高く持ち、「油断は大敵」とも語る。今年はコンディションの維持と大きな怪我をしないことをテーマに、「状態がいいとかあまり考えず、出してもらったところで貢献できるようにと毎日必死にやっている」という。いかにも謙虚で真面目な西野らしい言葉だ。

持ち味の粘るバッティングについては「いやらしいバッターになりたいっていうのはあります。ファールで粘る練習もしてましたし。今はそれができる打席が多い」と普段から相手投手に球数を投げさせるカット打法を研鑽した結果のようだ。

月間打率は4月が.364、5月は.286。開幕1ヵ月を経て少し落ちたと思えば、6月は26日現在で.366と盛り返した。自身は「やっぱりずっと良いということはないと思うんで。悪い時でもやるべきことっていうか、できることは絶対あるんで、そういうのを意識しながらやってますね」との心構え。今季は打撃だけでなく守備でもファインプレーが多く、それがスタメン起用が増えている理由の一つだろう。
練習中にはフェンスに向かって凄い音を響かせながらメディシンボールをぶつける西野の姿を見ることができる。「ティーバッティングを打つ前に壁に向かって投げたりっていうのは、今は欠かさずやってますね。動作の中での出力じゃないですけど、今はずっとそれを続けてます。 全体的な部分でつながるんじゃないかなと思って始めました」と、身体能力向上に重きを置いている様子だ。

また、今年は走塁でも活躍している。「走るっていうやっぱ意識だと思うんで、その次を常に狙う。ミスしたら行くとかじゃなくて、ミスするもんだと思って最初から全力でいけるのかっていう意識だと思う。何かあると思って全力で行ってるか、行ってないかの違いだと思います」と失敗を恐れずに走ることにより、成功を生んでいるようだ。

ここまで走攻守と好調を維持している西野が初めて輝いたのは、2015年4月29日に初めて開催されたオリ姫デーだった。かつては「僕にとってオリ姫デーは特別なもの」と話していたが、あれから10年目を迎えて、西野真弘はさらなく進化を続けていく。

取材⚫︎どら増田/野口航志(DsStyle)
文⚫︎THE DIGEST取材班
写真⚫︎野口航志(DsStyle)

© 日本スポーツ企画出版社