異例の3連投を直訴した助っ人マチャド――「チームを助けるために。毎日でも行く準備はしたい」【オリ熱コラム2024】

平野佳寿が右肘の張りで5月22日に抹消されて以来、オリックスのクローザーを務めているのが来日1年目のアンドレス・マチャドだ。3月30日のソフトバンク戦では最速162キロをマーク。160キロ近いストレートと152キロ前後の超高速チェンジアップを武器にセットアッパーとして活躍していたが、抑えに配置転換されても好投。平野の離脱以降の成績は、13試合に登板して8セーブを挙げている。稀に大量失点を喫して救援に失敗してしまうこともあるが、マウンド上で喜怒哀楽を出さないタイプなだけに、最終回に接戦でマウンドに立ってもドッシリとした安定感のあるピッチャーだ。

中嶋聡監督は就任以来、「リリーフに3連投させない」ことを徹底している。そのリミッターを外したのは、これまでソフトバンクと激しいデッドヒートを演じた2022年終盤の山崎颯一郎しかいなかったが、今季は6月4~6日に吉田輝星が、そして6月5~7日のマチャが相次いで3連投した。吉田は4日にわずか1球しか投げていなかったからともかくとして、クローザーのマチャドに3連投させたのはまさに異例と言える。

3戦3セーブのマチャドに中嶋監督は、「本人が行くと言ったので……こちらは(ベンチ登録から)外すつもりではいたんですけど、 行きたいって言ってくれたんで、本当に良かったです。今日がいちばん良かったかな。いやもうね、(チーム事情が)苦しいのはみんなわかってくれてるんで、(他にも)行きたいって言ってくれるんちゃんといますけどね。いっぱいいますけど、こうやって後ろの一人ががやってくれるっていうのはでかいですね」と手放しで称賛。マチャドはセットアッパー時代も回またぎを直訴したことがあり、外国人選手としては珍しいタイプかもしれない。
マチャド本人は「ちょっと練習前に少し監督と話をさせてもらって、一応感覚だけ確かめるためにキャッチボールをしたところ別に問題なかったので、チーム助けるために行こうかなと思いました」と話している。「アメリカでも3連投はしていたので通常どおりです」とも話していたが、普段からピッチャーのマネジメントに気配りをしている首脳陣に対する感謝の気持ちもあったようだ。

「今後は4連投する可能性があるのか?」と問われたマチャドは、「4連投はしたことがないですけど、日本シリーズとか最後の最後に優勝がかかっていたりとか、そういう場合は行くと思います」とまで答えている。さすがに中嶋監督が4連投させることは考え難いが、いざとなれば「毎日行く準備はしたい」という。

ブルペン陣に故障者が続出しているオリックスは、新セットアッパー候補として、昨季ロッテで最優秀救援投手を受賞したルイス・ペルドモをメキシカン・リーグから獲得した。オールスター・ブレイクまでは、マチャドとペルドモの外国人コンビが勝ちパターンを担うことになりそうだ。

取材・文⚫︎どら増田
写真⚫︎野口航志(DsStyle)

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