岡田阪神「生え抜き純血野球」の限界…チーム底上げ不発で終わらぬ貧打地獄

岡田監督(C)日刊ゲンダイ

「FAは全然眼中にない」

阪神の岡田彰布監督(66)は日本一を達成した昨オフ、キッパリとこう言い切った。

大型補強には目もくれない一方で、「当然、新しい力は必要」と、チームの底上げを図ることで連覇を目指しているが、ここまで70試合で33勝32敗3分けで巨人と同率2位。首位広島に3.5ゲーム差を付けられ、最下位ヤクルトとは4.5差。なかなか波に乗り切れない。

岡田監督の最大の誤算は、想定外の貧打だ。

「昨季はリーグ最多の555得点をマーク。四球査定を導入したことで四球数529、出塁率.322ともにリーグトップで、効率よく得点を重ねた。『去年は出来過ぎ』との声もあるにせよ、今季(6月26日現在)チーム打率はリーグ断トツ最下位の.218で、191得点も同5位。四球数は同2位の218ながら、出塁率は.292で3分も落としている。大山、佐藤輝ら主力が軒並み、調子を落としていることが原因ですが、加えて、岡田監督がチームの底上げによる新戦力発掘を掲げながら、新たに飛び出した若手野手が前川(21)しかいないのが苦しいところです」(球団OB)

■FA市場では野手が枯渇

だからだろう、今秋ドラフトでは、即戦力の内野手を上位指名するプランが浮上しているという。

「阪神の主力野手は、徐々に高齢化が進んでいる。大山と近本が今年30歳で、中野も28歳。捕手は梅野(33歳)、坂本(31歳)が30オーバーです。一方、25歳前後の選手層は薄い。今年25歳の佐藤輝が伸び悩み、24歳の小幡も遊撃のレギュラーに定着しきれない。今後が期待できそうな若手は現状、23歳の森下、21歳の前川くらいです」(同)

かといって、大型補強に乗り出そうにも、このオフのFA市場は野手が枯渇している。

「新人と新助っ人に加え、現役ドラフトで有望株を獲得できるかどうかでしょう。たとえば日本ハムは、ソフトバンクで5年間プレーしながら一度も一軍出場がなかった水谷瞬を現役ドラフトで指名し、成功を収めている。いずれにせよ、チームの底上げが進んでいない以上、むこう数年は貧打地獄は続きそうな雲行きです」(同)

虎の先行きは想像以上に思わしくない。

◇ ◇ ◇

岡田監督にも当然、焦りが募っているようだ。盟友である掛布雅之氏がズバリ指摘した岡田監督の「不可解な言動」とは…。

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