インド国債、海外マネー流入 JPモルガンの指数組み入れ控え

Nimesh Vora Jaspreet Kalra

[ムンバイ 27日 ロイター] - JPモルガンが28日からインド国債を新興国債券指数に組み入れるのを前に、インドの外国為替市場では、海外勢のインド国債購入を示唆する動きが見られる。主にパッシブ運用の資金が流入しているもよう。

前日の海外市場で米国債利回りが急上昇したにもかかわらず、通貨ルピーは0.14%高の1ドル=83.4525ルピーとなった。

ドル/ルピーの「デイリーフィックス」もインド準備銀行(中央銀行)が午後に発表するドル/ルピーの基準レートよりも割り引きされた価格で取引された。これは基準レートでのドルの供給が需要に比べて高いことを示している。

さらに市場関係者によると、ドル/ルピーのスワップの動きもドル資金の流入を示しているという。

指標10年物インド国債利回りは1ベーシスポイント(bp)低下の6.99%となった。

大手銀行の外為営業担当者は指数に関連した資金流入が見られ、主に外資系銀行から資金が流入していると語った。

中堅行のシニア為替トレーダーは「間違いなく資金の流れが来ているようだ。外銀は(ドル/ルピーの)オファーを出し、非常に短期のスワップを支払っている」と述べた。

財務省当局者は、海外に大口の資産保管顧客を抱えていることで知られる外銀がドルを売却しており、これは今回の組み入れと関係していると「推測するのが妥当だ」との見方を示した。

ただ資金流入を背景としたルピーの大幅な上昇は見込まれていない。

SBMバンク・インディアのマンダル・ピタレ氏は「インド中銀が資金流入を慎重に管理すると予想している。ルピーの急騰はないだろう」と述べた。

三菱UFJ銀行のマネジングディレクター、ディーパック・バヤナ氏も中銀が為替相場を注視しており、過剰なルピー高があれば介入する可能性があると指摘した。また資金フローの一部はノンデリバラブルフォワード市場でヘッジされている可能性があると語った。

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