【米兵少女暴行事件】「常に連絡が必要とは考えていない」 政府に反発広がる 米側に申し入れもその後3か月沖縄県に知らせず

アメリカ兵が少女に暴行した罪で今年3月に起訴された事件は、政府から県へ情報提供がされず、県内で反発が広がっています。
再発防止に向けてどのような措置が取られているのかも分からないままとなっています。

小林外務報道官
「常に関係各所への連絡通報が必要であるという風には考えておりません」

外務省の小林外務報道官は26日の会見でこのように述べ、事件に関して県への情報提供がなかったことに問題はないとの認識を示しました。

事件の発生は去年12月。
那覇地検は今年3月27日にアメリカ兵を起訴し、外務省はこのタイミングでアメリカ軍に抗議していますが、その後も3か月にわたって県に情報を伝えることはありませんでした。

事件の発覚を受けて県内各政党や様々な団体による抗議が相次いでいます。

外務省沖縄事務所を27日午前に訪れた県議会与党会派の議員らは外務省沖縄事務所が置かれた経緯も踏まえながら、県への情報提供が無かった理由を質しました。

仲宗根悟県議
「外務省沖縄事務所が置かれた理由、訳ですよね。これは1995年の事件を発端に、やはり窓口が、沖縄事務所として外務省の機能を果たすために置かれたと思うんです」

外務省沖縄事務所・黒岩亮副所長
「外務省独自の判断で(情報を)出したり出さなかったりということはできる立場にございませんので」

また、事件の再発を防止するための取り組みについても問いただしましたが、外務省沖縄事務所から具体的な説明はありませんでした。

沖教組・小濵まゆみ書記長
「もう二度と子どもたちを犠牲にしないでくださいと本当に言いたいです。ましてやこんな半年も過ぎて、沖縄県のトップの知事が知らないというのが、本当にどこまで沖縄を踏みにじれば気が済むのかと本当に思います」

県庁で会見を開いた市民団体のメンバーは、先月のエマニュエル駐日大使の与那国島視察や、県議会議員選挙などを理由に公表しなかったのであれば問題だとして、政府の対応を強く批判しました。

県内ではアメリカ軍による事件・事故が繰り返される度に再発防止やアメリカ軍の綱紀粛正が求められてきました。

しかし、事件が起きていたことさえ知らされない状況では、それらの実効性を検証することすらできない、そうした現状が今回の事件で浮き彫りとなっています。

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