事件の通報体制形骸化 日米合意守られず沖縄県蚊帳の外

今回の事件は発生が去年12月、警察が書類送検し、検察が起訴したのが今年3月、そして公表されたのが25日と、事件発生から半年間公にされませんでした。

県には事件が報道されるまで情報提供がなく、玉城知事はこうした対応を問題視しています。

▽林官房長官:
「このような事案が発生したことは極めて遺憾であり本年3月の起訴を受けて同日岡野外務事務次官からエマニュエル駐日米国大使に対して遺憾の意を申し入れるとともに綱紀粛正および再発防止の徹底について申し入れたところでございます」

25日の会見で外交レベルで事件について抗議したと説明した林官房長官。

一方、県に事件の発生を知らせなかった理由については。

▽林官房長官:
「捜査機関の活動内容に関わる事柄でお答えを差し控えたいと思います」

▽玉城知事:
「事前に情報がなかったことは問題」

政府の対応に不信感を露わにした玉城知事。事件を巡る対応は通報手続きが機能していない実態を浮き彫りにしました。

1997年に日米で合意された在日アメリカ軍の関係する事件や事故に関する通報手続きでは日本人が巻き込まれた場合各地の防衛局を通じて県や市町村に通報すると定められています。

しかし今回の事件で県は報道されるまで発生すら知らされませんでした。

発生から公表までの間アメリカのエマニュエル駐日大使が与那国島などを訪問、今月23日の慰霊の日の式典には岸田総理やアメリカ軍関係者が参列していました。

▽玉城知事:
「個人情報を守る観点から推測されるような情報は控えたうえで県民に注意喚起を呼び掛けることは出来たと思うんですよ。こんなに時間がかかっているということに本当に怒り以外言葉がないですよ」

県は今回の対応を問題視しアメリカ軍や日本政府と3者で兵士による事件や事故の防止について話し合うワーキングチームの開催を求めています。

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