「悔しい思いでしっかり決勝を見ます」客席を指さした兒玉芽生が誓った完全復活 腰痛に苦しみ女子100メートル準決勝で敗退【陸上日本選手権】

女子100メートル準決勝で力走する児玉芽生(中央)(撮影・中村太一)

◆陸上 日本選手権(27日、新潟・デンカビッグスワンスタジアム)

女子100メートルの準決勝が行われ、2021年東京五輪リレー代表の兒玉芽生(ミズノ)=大分県臼杵市出身=は2組で11秒90の6位となり決勝進出はならなかった。鋭いスタートを見せたが、持ち味でもある2次加速で前に出ることができずに、悔しい結果に終わった。

今季は腰痛などに悩まされており、本来の力を発揮することができずに苦しむシーズンを過ごしている。兒玉は「結果としては全然うまくいかなくて、うん、でもなんでだろう。ネガティブな感情だけかと言われると、そうでもないんです。昨年は負傷で出られなかった。まず出られた、挑戦できた。腐らずに前向きに。世界で戦うために頑張っていく」と実力者は懸命に前を向いた。

今年は海外レースにも個人で参戦するなど新たな取り組みに挑戦してパリ五輪を目指した。所属先のサポートもあってこその試みで「個人種目で海外の試合に出ることが初めての経験で、そういう機会をくださった会社にすごく感謝している。ものにできずにこういう結果になった。簡単な世界ではない。でも簡単に届かないからこそ、また挑戦したいと思える」と言い切った。

腰痛を抱えながらも「多くの方にケアをしていただいて本当にありがたい」と付き合いながら、練習や大会にも臨めている。今後も今大会の200メートルなどレースを重ねていく予定で、来年の東京世界選手権や2028年のロサンゼルス五輪を目指していく。100メートルの決勝は28日。「明日は悔しい気持ちで(スタンドから)しっかり見ます」とスタンドを指さした国内屈指のスプリンターは、経験をばねに復活への道を歩んでいく。

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