9人中6人が肺炎 輪島、七尾市が災害関連死22人認定 停電で暖房使えず

  ●公表全員が80代以上

 輪島、七尾両市は27日、能登半島地震による災害関連死として計22人を認定した。経緯・認定理由が公表された9人のうち6人が肺炎で死亡しており、年代が公表された11人は全員が80代以上だった。停電で暖房が使えずに体調を崩した人も複数いた。これで災害関連死に正式認定された人は累計52人となった。

 輪島市は関連死のうち1人を誤って直接死に計上していたとして、死者数を訂正した。担当者は「事務的なミス」と説明している。このため、石川県内の死者は直接死が1人減の229人となり、関連死と合わせた犠牲者は281人で、2016年熊本地震の276人を上回った。今後認定される関連死18人を含めると、総数は299人となる。

 27日に関連死として認定されたのは、輪島市19人、七尾市3人。輪島市19人のうち、年代などが公表されたのは10人で、80代男性が避難所や1.5次避難所、金沢市内のアパートへと移動を繰り返し、ストレスなどにより、うっ血性心不全と細菌性肺炎で死亡した。特別養護老人ホームで被災した90代以上の女性は、停電により暖房が使用できない中、急性心不全で亡くなった。

 七尾市の3人のうち公表は1人。90代女性が地震でショックを受け心不全が悪化し、転院時の長時間搬送で体力が低下して死亡した。

 25日の県の関連死の審査会では、今回の22人とは別に能登町9人、穴水町6人、珠洲市3人の計18人の認定が決まっており、今後、各市町長が正式決定する。北國新聞社のまとめによると、25日時点では少なくとも223人が関連死の認定を申請している。

 関連死に認定された人の遺族には、災害弔慰金支給法に基づき最大500万円が支給される。

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